マジックが大絶賛の19歳。ロンゾ・ボールはレイカーズの救世主か? (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

「彼はとても賢い選手だ。チームメイトも彼のことが好きで、彼のもとに集まってプレーしようとする。それこそが、彼のすばらしいところだ。とてもいい若者で、生まれつきのリーダーだ。まわりを活躍させることができる選手だ。それに、チームメイトたちが得点できるようなパスを出すこともできる。たしか以前にも、ここでそれをやっていた選手が誰かいたけれど、名前は何だったかな......」

 マジックは最後の部分を思わせぶりに言うと、トレードマークの笑顔を見せた。もちろん、この「誰か」はマジック自身のことだ。リーグ歴代トッププレーヤーのひとりに挙げられるほどの名選手自ら、ロンゾは自分と同じような選手だと称賛しているのだ。

 もっとも、性格はだいぶ違う。外交的で明るく、笑顔と賑やかなおしゃべりでチームを率いていたマジックと比べて、ロンゾは物静かで、謙虚で、どちらかというとシャイだ。記者会見や囲み取材ではきちんとメディアの質問には答えているが、余計なことは言わず、簡潔な言葉で必要なことだけを語るタイプ。誰より大きな声で息子自慢をする父・ラバーとも対照的だ。

 ただ不思議なことに、それだけ静かでも、そしてまだ19歳と若くプロ経験がなくても、彼にはまわりがついていきたくなるようなリーダーとしてのオーラがある。

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