アイバーソンの帰郷に歓喜。バスケ新リーグ「BIG3」がもたらす幸福 (4ページ目)
「BIG3でのプレーが先につながるといい。(NBA復帰を)諦めたわけでなく、代理人とは今後についての話もしているよ」
2年ぶりのNBA復帰を目指す38歳のラシュアル・バトラーは、フィラデルフィアでの試合後にそんな意気込みを語っていた。このバトラーや、昨季はBリーグの三遠ネオフェニックス(愛知)でプレーしたジョシュ・チルドレスのように、まだまだ元気なプレーヤーもBIG3に属している。
スポーツ・エンターテインメントなのだから、さまざまな立ち位置の選手がいてもいい。現役を長く離れていたアイバーソンのようなレジェンド、ポール・ピアース、ケビン・ガーネットのように引退直後の元スター、そしてまだ将来がある選手たちがバランスよく混ざれば、BIG3はよりハイレベルで華やかになる。そんな方向に向かっていけるか、この大会をもう少し長い目で見る必要があるだろう。
また、たとえ今と変わらないレベルに落ち着いたとしても、それはそれで悪くはない。開催は10週間のみで、毎週1戦ずつ。しかも、それぞれの街では年に一度のサマーゲームとなる。かつて一世を風靡した元スターとファンが久々に邂逅(かいこう)する場としてだけでも、このイベントには存在価値があるように思えるのだ。
大ベテランミュージシャンのライブツアー同様、全盛期のパフォーマンスを期待すべきではない。最高レベルではなくとも、そこには残り香のような魅力がある。ローリング・ストーンズやイーグルスのツアーに多くのオールドファンが集まるのと同様に、BIG3は今後も多くのファンを引き寄せ、1年に1日だけでも、人々に幸福な時間を届けてくれるに違いない。
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