【NBA】セルティックスの「ビッグ3」終焉。レイ・アレンがボストンを蹴ったワケ (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 実際、この言葉は、多くのセルティックス・ファンの気持ちを代弁しているのではないだろうか。

 アレンが他のチームではなく、セルティックスでもなく、ヒートを選んだのには理由があった。それこそが、『リスペクト』だ。

 客観的に見ると、セルティックスはアレンに、『リスペクト』を見せなかったわけではなかった。2年間1200万ドル(約9億6000万円)の契約に、トレード拒否権も付けた条件をオファーした。アレンが求めていたと伝えられる『3年2700万ドル(約21億6000万円)』には及ばないが、それでもヒートが提示できる契約(最大で3年間950万ドル=約7億6000万円)の倍近い金額だ。

 しかし、契約金は『リスペクト』を表すひとつの指針に過ぎない。この1、2年、セルティックスでの自分の役割が少しずつ減らされ、その上、何度かトレードの駒にも使われそうになったことに不満を持っていたアレンは、もっとセルティックスから、情熱――言い換えれば、必要とされているという熱を感じたかったのだ。

 しかし、セルティックスはアレンと契約する前に、アレンと同じポジションのジェイソン・テリー(前ダラス・マーベリックス)と契約。アレンと契約できなかったときの保険であり、契約できたとしても37歳のアレンの負担を減らすこともできると考えてのことだが、アレンにはあまり面白くなかった。

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