中野信治が今季F1の勢力図を詳細解説 「レッドブルで何が一番進化しているかと言えば......」 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【メルセデスはPUがやや劣る?】

 各チームのマシンのデータを見ると、レッドブルとフェラーリはコーナーもストレートも速いですが、メルセデス、マクラーレン、アストンマーティンはどちらかといえばコーナーリングマシン。

 メルセデスのマシンは悪くないですが、パワーユニット(PU)の性能が影響しているのかなと感じます。ホンダがPUを提供するレッドブルやフェラーリに比べて、メルセデスは若干パワーが落ちているような印象です。

 あとメルセデスは昨年から燃料が重いときのペースがよくない。メルセデスのマシンはダウンフォースがあるので無理をすれば1周速いタイムを出すことはできますが、コーナーでかなり頑張らないとタイムを稼げない。

 マシンが重い状況で無理をするとタイヤをいじめることになるので、結局、レース序盤はペースをコントロールしなければなりません。そこが弱点となっていますが、レース中盤以降にマシンが軽くなるとトップグループと遜色ないペースで走れています。

 ウイリアムズは昨シーズン、直線がすごく強かったですが、今年のマシンはオーソドックスなつくりになって、昨年までのストレート区間でのアドバンテージがなくなっているように見えます。

 直線が速いのはハースです。細かい空力は改善されていますが、基本的に昨年型と大きく変わっているようには見えません。おそらくタイヤに厳しいところも引き継いでいると思いますが、そのマシンを新しく代表となった小松礼雄さんが最大限に力を発揮するようにまとめあげている印象です。

 第2戦のサウジラビアGPでは直線の速さを活かして、うまく後続を抑えてポイントをとりました。続くオーストラリアGPでもダブル入賞を果たしています。

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