「きっかけはプリキュア、セーラームーン」名古屋の少女が「レースクイーン女王」に変身するまで (2ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi

学生時代はバンドをやっていた松田蘭さん photo by Matsuda Ran学生時代はバンドをやっていた松田蘭さん photo by Matsuda Ranこの記事に関連する写真を見る

【きっかけは従姉妹が見せてくれた写真】

── 出身は愛知県名古屋市と聞いていますが、どのようなきっかけでレースクイーンになろうと思ったんですか?

「私の親戚にモータースポーツ大好きな家族がいて、2個下の従姉妹に『セナちゃん』って子がいたんです。そう、アイルトン・セナにちなんで名づけられたみたいです。

 その家族は週末になるとサーキットに出かけるんですけど、ある日、セナちゃんが見せてくれた写真にレースクイーンのお姉さんたちが一緒に写っていたんです。それを見た当時小学生だった私は、『プリキュアやセーラームーンみたい!』『本当にキラキラしてかわいいな』って思ったんです。以来、すごい憧れがあって、いつかはレースクイーンになりたいなって」

── そうだったんですね。では、この業界と接点を持ったのはいつの頃ですか?

「大学生の時ですね。当時、進路に迷っていたんですけど、大学に通いながらイベントコンパニオンのような仕事をしていたんです。2018年に東京オートサロンがあって派遣されたんですけど、もしかしたらここでご縁を作れればと思っていろいろな方に相談したら接点ができて、レースクイーンとして活動をすることになったんです」

── 普通に就職することは考えてなかったんですか?

「考えましたね。まさか自分がレースクイーンをやれるなんてまったく思ってなかったです。就職してOLをやって30歳ぐらいで結婚をして、普通の人生を送るのかなと思っていたんですけど、やっぱりチャンスがあるのならばやってみたい。

 実は、私が高校生ぐらいの時、先ほど話したセナちゃんに不幸があったんです。その時、セナちゃんのお父さんの知り合いのレーシングチームが喪章をつけてレースに参加したと聞いて、すごく心にくるものがあったんです。

 レースクイーンに憧れを持たせてくれたセナちゃんのためにも、また悼んでくれたレーシングチーム、ひいてはモータースポーツのために、レースクイーンになって恩返しをしたいなって気持ちになったんです」

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