角田裕毅、開幕直前の感触は「7番目か8番目」 F2初参戦の宮田莉朋は「いやぁ、なんか難しいですね」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【マシンの足らない部分はドライバーの腕でカバー】

 逆にステアリングを切り始め、コーナーへ進入していくフェイズではまだフロントが足りない感覚もあり、その手前のブレーキング時からターンインまでのリアの安定感不足も、昨年苦しんできた症状が完全には解消できていない。

「マシンバランスだとか特に何か問題があるわけでもなく、どちらかというとバランスの取れたマシンかなと思います。コーナリング中のマシンバランスの一貫性がまだ少し足りなくて、コンスタントになりきっていないかなと思います。そのせいでマシン挙動を予測しづらいところがあります。

 少し改善はされたんですけど、そこをまず改善していかなきゃいけないということは今回のテストで再確認できました。みんなでひざを突き合わせて長時間話し合ったんですが、ダニエル(・リカルド)も僕も同じ意見で話を進めることができたので、チームにとってもいいことかなと思います」

 この開幕仕様のマシンに足りない部分を補足する次のアップデートが投入されるまでの数戦は、今の勢力図のままで戦うことになる。そこはドライバーの腕と、マシンのパフォーマンスを最大限に引き出すことでカバーしなければならない。

 それが「クオリティ」を最大限に高めるという、テストから角田が口にしてきたアプローチにはっきりと表われている。

「フィードバックは意識して1セッションずつ取り組んでいくつもりです。特にテストではいろんなテストをしていて、まだクルマをひとつにまとめるという作業を全然していないので、そこに対しては自分のフィードバックによってかなり変わってくる。そこを強く意識しながらやっていきたいと思っています」

 一方、F1直下のFIA F2選手権には、日本のダブルチャンピオンの宮田莉朋が参戦する。

 2月にバーレーンで行なわれた3日間のテストをこなし、トップの僚友から0.216秒差の3番手タイムを記録した。

 初戦のレース週末に向けては「まだ見えていない部分だらけ」という宮田だが、マシンとタイヤ、サーキットに対しては開幕までにまずまずの感触を掴むことができているようだ。

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