角田裕毅が初テストで「う〜ん」と難しい顔 ニューマシンで走ってみた3日間の正直な感想 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【角田が語った「一番大切なのは量よりも質」】

 それでもVCARB 01は、フロントがシャープに入っていく傾向にあり、実際にフロントのグリップレベルも上がっているという。プルロッド方式のサスペンションは基本的には空力的な整流を目的としたものだが、ジオメトリー(形状)の違いからくるステアリングフィールの軽さや、コーナーの途中で路面に食いついて重さが増す感覚など、従来とは違う部分もかなりある。

「簡単に言えば『軽くなった』ということなんですけど、それだけではなくてコーナリング中の安定性だったり、コーナーのどこの部分でフロントが食いついてくるのかといったところが少し違うんです。それはマシンバランスに関係することでしかなくて、パフォーマンスを大きく左右するものではないですけど、僕としては慣れる必要があるということですね」

 この3日間しかない開幕前テストで、一番大切なのは「量よりも質」だと角田は言った。

「とにかく今回はラップ(量)よりもクオリティを目指しているので、クオリティの高いセットアップが仕上げられればと思っています。3日間でいろいろとセットアップを変えていって、さらにクルマへの理解度を深めていったり、いろんなテスト項目をひとつひとつこなしてクリアにしていって、理解度を深めていきたいと思っています。

 僕自身のドライビングとしては、まだステアリングのフィーリングだったり生かしきれていない部分がある。なので、できるだけマシンに適応して、ロングランだったりクオリティを高く速く走れるように仕上げていくところですね」

 2日目は午前中を担当し、バーレーンGP決勝と同じ57周を連続走行するフルレースシミュレーションを敢行したが、コースサイドの排水溝の蓋が外れるというトラブルでセッションは赤旗中断となり、角田は時間を失ってしまった。最終日もフロントアップライトに細かなトラブルが続いて走行時間をロスしたものの、自制心を失うことはなかった。

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