F1新時代、2024年の焦点《後編》 国内2冠の宮田莉朋はF2からステップアップの可能性 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 23戦が予定されていたものの結果的に22戦になった2023年も、すでにチーム関係者の疲労はピークに達していました。果たして2024年は無事にシーズンを終えられるのでしょうか? 特に2023年は1回しかなかった3連戦が多い点が気になります。

 そして鈴鹿の日本GPの開催時期が変わり、初めて春(決勝=4月7日)に行なわれることになります。

 これまでシーズン終盤に行なわれてきただけに、開幕直後の開催は多少の違和感もあるでしょう。ただ。2022年に現地観戦された方なら「台風の心配をしなくていい」というのは、かなりプラスに感じるのではないでしょうか。

 シーズン序盤の開催というのも、違った楽しみ方があります。走り始めたばかりの2024年型マシンが見られることや、勢力図が固まりきっていないなかで様々な展開が期待できることなど、開幕直後ならではのワクワク感があって、楽しいレース観戦になるはずです。

 日本GPが終わると興味が下がるのではないか、という心配もありそうですが、逆に鈴鹿で見たF1をテレビで見ることで見え方も違ってくるでしょう。残りのレースが多いだけに「鈴鹿以外のサーキットにも観戦に行ってみたい」という人も増えてくるはずで、F1全体にとってはいいことなのではないかと思います。

【8】評判はイマイチ。スプリントレースは改善される?

 今年も計6レース(第5戦中国GP、第6戦マイアミGP、第11戦オーストリアGP、第19戦アメリカGP、第21戦サンパウロGP、第23戦カタールGP)でスプリントレースが開催される予定です。金曜の視聴率や観客増のためにF1はスプリントの開催に積極的であるものの、これまでのところファンの評判は決してよろしくありません。

 問題はふたつ。スプリントレースはバトルがほとんどなく単調な展開になりがちだということと、決勝の展開が読めてしまうということです。

 その理由は、どのチームも30分間のスプリントを「決勝のためのロングランタイヤテスト」に使うからです。特にポイント圏内の8位に入るチャンスが乏しい中団チームにとっては、スプリントでがんばる意義が薄く、決勝に向けた準備に専念するほうが得るものが大きくなってしまっているのです。

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