佐々木歩夢が加藤大治郎らレジェンドの走った道を継いでいく Moto3最終戦優勝後に両親と抱擁 (2ページ目)

  • 西村 章●取材・文 text by Akira Nishimura

バレンシアGP Moto3クラス決勝で優勝しウィニングラップを披露する佐々木歩夢 photo by MotoGP.comバレンシアGP Moto3クラス決勝で優勝しウィニングラップを披露する佐々木歩夢 photo by MotoGP.comこの記事に関連する写真を見る

 2016年に日本人で初めてレッドブルルーキーズカップのチャンピオンを獲得した佐々木は、その直後に負傷選手の代役としてマレーシアGPに参戦し、グランプリデビューを飾った。翌2017年には、16歳でホンダ陣営からMoto3フル参戦を開始、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。2018年以降は、高い資質に大きな期待が集まる反面、なかなか結果を残せないシーズンが続き、年間ランキングは20位や16位と低迷した。2020年にはホンダ陣営を離れてオーストリア企業のKTM勢へ移り、2022年に初優勝を達成。この年は2勝を含む9表彰台でランキング4位。今年は10戦で表彰台に登壇したものの、優勝だけはできないままで最終戦を迎えた。

 Moto3時代を締めくくるレースでもある今回は、前戦で受けた卑劣な仕打ちの直後でもあるだけに、確固たる思いを抱いて週末を迎えた。

「カタールGPが終わってたくさんの応援メッセージをくださった日本や世界のみなさんの声援に応えるためにも、Moto3最後のレースでしっかりと速さを見せて優勝をしたい」

 土曜午後の予選は、ポールポジションこそ逃したが、0.048秒差で2番手タイム。日曜午後12時にスタートした全20周の決勝レースは、終始安定してトップグループの中で優勝を争った。最終ラップの最終コーナーを誰よりも早く立ち上がった佐々木は、そのままゴールラインを通過。レース前に述べていたとおりに、Moto3時代最後のレースを勝利で締めくくった。

「シーズンが終わってみればチャンピオンとの年間獲得ポイントは6点差なので、応援してくれた人たちにチャンピオン争いができていた可能性を証明できたと思います。今日は7年間のMoto3で学んだことを走りにつなげて優勝できたので、自分に100点をあげられるレースができたと思います」

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