猛省した角田裕毅がホテルにこもって考えたこと「完全にリセットしたかった」同僚リカルドへの対抗心は? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【角田の犯したミスは「ドライビングミス」ではない】

 レースは残り30周もあり、もっと待つこともできた、だが、問題はそこではないと角田は言う。

「コクピットのなかでは『我慢も必要だ』ということはわかっていて、冷静に効率的に抜くための方法を考えて、ピアストリとのギャップをコントロールしながら走ったりしていました。同じようなシチュエーションの去年のイギリスGPでピエール(・ガスリー)を抜こうとして当たってしまった経験もあったので、可能なかぎり忍耐はしていました」

 オーバーテイクを仕掛けたこと自体は間違いではない。

 問題は、チームにとって貴重なポイントを確実に持ち帰ることができる状況だったにもかかわらず、あまりにリスキーなアタックをしてしまったことだ。

「オーバーテイクを仕掛けたこと自体は、それほど悪くはなかったと思っています。十分接近していましたし、DRS(※)を使って簡単に彼に並ぶことができましたから。でも、そこから可能なかぎりピアストリに寄せていこうとしたのは、やるべきではなかった。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 12位くらいのポジションを走っている時なら、ああやって相手にプレッシャーを与えていくのはありだと思います。だが、8位のようなポジションを走っているなら、抜けなくても8位にいるわけですから、ましてや最後尾からスタートしてその位置なら決して悪くない結果だと言えますし、シチュエーションのマネジメントという意味では正しくなかったと思います。その点は今後に向けて、しっかりと改善していく必要があると思っています」

 角田の言うとおり、角田の犯したミスとはドライビングミスではなく、あの状況にふさわしいドライビングができなかった──というメンタリティの問題だ。

 もっと言えば、今年1年間で見せてきた成長をすべて自ら否定するような行為であり、トップチームのF1ドライバーにふさわしくないと断じられても仕方のないようなミスだった。

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