角田裕毅がメキシコで狙う僚友リカルドとのダブル入賞「マシンパッケージもトップ10に近づいて来ている」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【9位ハースも8位アルファロメオも射程圏内】

 リカルドは続ける。

「スプリント週末では時間が十分になくて、特に僕の場合はまだクルマのことをきちんと学べていない状態だったから、あまりリスクを背負って攻めて走ることもできなかった。クルマは悪くなかったけど、完璧に満足できる状態でもなかったし、もっとうまくやれたはずだ。

 レース週末全体を見ると、もっとポジティブだったけど、それが結果というかたちでは見えなかった。だから今週末はそれを果たしたいと思っている。Q3に進出してポイントを獲ることが目標だよ」

 レッドブル独走のなか、メルセデスAMG、フェラーリ、マクラーレン、アストンマーティンの5チーム10台は不動の位置を占める。11位の座をアルピーヌと争い、上位で自滅したマシンの数だけ入賞圏が空く。アルファタウリがトップ10に食い込むのは決して簡単なことではない。

 それでも角田はあきらめていない。そう言えるのは、アメリカGPで8位という望外の結果を掴み獲ったからでもある。

「アルピーヌなども速くなってきたので(ポイントを獲っていくのは)全然簡単ではないと思いますけど、ここ数戦がそうであったように、レースでは何が起きるかわかりません。全部まとめ上げればチャンスはやってくると思います。

 マシンパッケージも、どんどんトップ10に近づいて来ていると思う。とにかく毎戦、安定したパフォーマンスを発揮していきたいと思っています」

 ランキング9位のハースまで2点差。8位のアルファロメオまで6点差。十分に射程圏内だ。

「メキシコはけっこう好きなサーキットなので、もちろんポイントを目指して頑張りたいです。今週末は少しアプローチが違いますけど、できるかぎりのことを毎戦のようにやって、できれば2台ともポイント圏内に入れればいいなと思います」

 今シーズンまだ一度もないダブル入賞をアルファタウリにもたらすことができれば、さらなる飛躍を果たすことは間違いない。

プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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