角田裕毅が懸念するカタールの縁石問題「1回のミスでも大きな代償を支払うことになる」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【角田は2年前のカタールGPで予選8位を獲得】

 角田は語る。

「中団グループはかなり接戦ですし、トップ10に入ることは簡単ではありませんけど、11位や12位を争う自信は持てるようになっています。アップグレードでパフォーマンスは少し向上できたと思います。

 特に予選ですね。想定どおりに機能していると思いますので、より自信を持って戦うことができるようになっています」

 日本GPのあともしばらく留まってイベント仕事をこなし、ヨーロッパに戻って火曜日にシミュレーター作業をこなしてからカタールへ飛んできた。

 その一方で、ダニエル・リカルドの左手の治癒が不十分であることから、チームは月曜の段階で再びリアム・ローソンにカタールでも走るように依頼した。ローソンにとっては初めてのカタールであり、初めてのスプリント週末になる。

 たった1度のフリー走行のみで予選に臨み、そこからセットアップを変えることはできない。

「フリー走行が1回しかなくて時間も短いから、かなり難しい週末になるだろうね。でも、代役出走の役目を終える前にスプリント週末を経験できるのはワクワクしているよ。このサーキットで走るのも初めてだしね。

 シミュレーターで走ってみて、とても高速なサーキットだという印象を持ったよ。低速コーナーがひとつしかないサーキットはあまり見たことがないしね。今週末をどう戦うことになるかはまだわからないけど、このサーキットをドライブするのは楽しみだ」(ローソン)

 角田は2021年にここで走り、予選8位を得ている。

 しかし、レイアウトこそ変わらないもののサーキットは全面的に再舗装が行なわれ、F1のスタンダードに合わせたピットビルディングとパドック、4万人収容のメイングランドスタンド、ターン1から3まで丘のようになった観戦エリアと、大幅にリニューアルが施された。

 新舗装のグリップレベルを不安視する声もドライバーたちから聞かれるなかで、角田は縁石に懸念を示した。

「2021年の時よりもアグレッシブな縁石になっているようです。縁石の上を走ること自体は問題ないと思いますが、その先のランオフエリアのターマック(舗装路)との段差が問題で、そこがスムーズでないので、縁石を越えてしまうとマシンにダメージを負うリスクまであると思います」

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