F1角田裕毅 独占インタビュー「結果で恩返しをしたい」 日本GP、2024シーズンに向け気合い十分 (2ページ目)

  • 熱田 護●取材・文 text by Atsuta Mamoru
  • photo by Atsuta Mamoru

【変わったことは気合い】

ーー今年は、角田選手の成長が各所から高く評価されています。自分自身でも何か変わったと感じるところはありますか?

 特にありませんが、あえて言うなら、「気合い」ですね。あまり注目されてはいませんでしたが、昨シーズンの後半戦では予選でチームメイトのピエール・ガスリーに勝っていました。でも、決勝ではもっと強くならないといけないということは自分でもわかっていました。

 そのために毎戦毎戦、自分の力を100%出しきることを目標にして戦ってきました。前のレースがどんなによくても、いったん気持ちをリセットして、気合いを入れ直してレースに臨むようにしています。その結果、シーズンを通して集中して戦うことができています。もし今年もガスリーとチームメイトだったら、昨年以上にいい勝負ができていたと思います。

ーー今シーズンはニック・デ・フリース、ダニエル・リカルド、リアム・ローソンの3人がチームメイトになっています。第12戦ハンガリーGPから加入したリカルドはどんな印象ですか?

 リカルドのクルマのフィードバックは適切ですし、チームに対する言動やスタッフを味方につけるような立ち振る舞いは本当にすごいと感じました。僕が一番学ばなければならないところだなと思います。

 たとえば彼がコースに出ている時にミスをすると、落ち着いた態度でチームに無線で謝罪します。でも僕は熱くなってしまって、リカルド選手とは真逆のコメントを言ってしまうこともあります。そこは見習わなければならないところですし、すごくいいお手本になっています。

シンガポールGPは不運な接触によりリタイアに終わったシンガポールGPは不運な接触によりリタイアに終わったこの記事に関連する写真を見るーーオランダGPで負傷したリカルドの代役として加入したローソンは2019年にFIA-F3と並行して参戦していたユーロフォーミュラ・オープン(EFO)でチームメイトでした。

 彼とは昔から仲がいいので、以前と変わらず友達のように付き合っています。でも以前とはレベルが違うところで戦っていますし、お互いにプロ意識があります。サーキットではプロ同士という感じで仕事に取り組んでいます。

 ローソンは、オランダGPでリカルドが負傷して急きょ参戦が決定するという難しい状況でデビューしましたが、きちんとマシンや環境に適応して戦えています。もともと彼は速いドライバーですし、今年のクルマは新しいマシンレギュレーションが導入される以前のクルマとは比較にならないほど乗りやすいんです。そこも大きいと思います。

 それにローソンは今年、スーパーフォーミュラに参戦してしっかりとパフォーマンスを発揮しているので、彼の活躍には驚いていません。

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