F1フォトグラファー対談 角田裕毅の成長とF1映画を語る「ブラッド・ピットはいい人」 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【角田裕毅のマネジメント体制の変化】

ーーF1参戦3年目を迎えた角田裕毅選手も急成長しています。現場で彼に接していて、どう感じていますか?

熱田 急成長とよく言われますが、僕はそれほど大きく変わったという印象はありません。どちらかといえば、毎年一歩一歩、着実にステップアップしていると感じます。もともとスピードはありましたが、ミスも多かったですよね。でも今年はコースアウトしたり、クラッシュしたりする場面は確実に減ってきました。あとは、ここは抑える、ここは攻めるという切り替えができるようになったと思います。

 現場での変化としては、ジャン・アレジや小林可夢偉を担当した宮川マリオさんがマネージャーとなり、中学と高校の同級生がパーソナルアシスタントとしてつくようになりました。「チーム角田」というマネジメント体制がしっかりとできていますよね。

桜井 マネジメント体制が変わって、メディアの受け答えもしっかりとできるようになったと思います。コース上の走りにも成長を感じる。レース内容はすごくいいですし、走りにも安定感が出てきました。

ハンガリーGPセッション前の角田裕毅(右)。フランツ・トスト監督のもとに駆け寄った 撮影/桜井淳雄ハンガリーGPセッション前の角田裕毅(右)。フランツ・トスト監督のもとに駆け寄った 撮影/桜井淳雄この記事に関連する写真を見る熱田 でもチームメイトがニック・デ・フリースだったから、よく見えているところはあったと思います。正直、デ・フリースには期待していたんですが、結局、一度も輝く走りを見せられませんでした。

 そのデ・フリースに代わってハンガリーGPから合流したダニエル・リカルドは、復帰戦で角田を上回る結果を出し、次のベルギーGPでは角田が上回って10位入賞。今のところ1勝1敗です。レッドブルの頃から徐々にパフォーマンスが落ちてきているリカルドと、少しずつ上がってきている角田選手が、今、きっ抗している感じですよね。

桜井 後半戦でどっちが勝つのか、そこは日本のファンにとって見どころですね。

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