アロンソのすごさとホンダへの期待をアストンマーティンのエンジニア松崎淳が語る! (2ページ目)
【アロンソは学習スピードが半端なく速い】
ーーアストンマーティンは今年、クルマが一新され、2度の世界チャンピオンに輝いたフェルナンド・アロンソが新たに加入しました。彼のタイヤへの理解力というのはパドックの誰もが絶賛しています。そのあたりは実際に一緒に仕事をしてどのように感じていますか?
ドライバーによって、どのようにタイヤを理解し、コントロールするかは大きく異なります。その点において、ワールドチャンピオンというのはひとことで言うと「やっぱりすごい」です。
アロンソはタイヤそのものを使いこなす能力が優れていることに加えて、新しいクルマ、新しい環境のもとでもタイヤとクルマの反応をあっという間に理解してしまう。学習するスピードが半端なく早いです。プラクティスのセッションが少なくなればなるほど、他のドライバーとの差が広がると思います。
ドライビング技術が高いのは言うまでもありませんが、サーキットが変わって、クルマの仕様が変更になっても、数周しただけで多くのことを理解してしまうんです。
走行後のエンジニアへのフィードバックも的確。マシンを降りた直後のコメント内容を我々エンジニアが十分に理解できないケースがあったりしますが、あとでデータを詳細に見直してみると、ピタリと一致していたりします。彼とのやりとりのなかで新しい発見はたくさんありますね。
サウジアラビアGPのアストンマーティンのマシンこの記事に関連する写真を見るーーそのあたりのことは昨年までチームに在籍していたセバスチャン・ベッテルとは違いますか?
基本的に一緒です。ベッテルも学習スピードが非常に早くて、セットアップのさまざまな情報をもたらしてくれます。アロンソとベッテルでは何が違うのかというと、タイプが異なりますので何とも言いづらいですね......。
ーーファンの皆さんはその違いを知りたいと思います。ぜひ教えてください。
そこはあまり言わないほうがいいと思うんです(苦笑)。ただ、レースのタイヤプレビューに関しては、ベッテルは技術的になぜそのような結論にいたったのかという非常に細かな過程にまで興味があり、いろいろ質問してきます。一方でアロンソは、その概要だけ説明すれば、信頼して理解してくれました。
ベッテルとアロンソ、ふたりのチャンピオンに共通するところは、レースに対してしっかりと準備する姿勢や、フリー走行1回目のラップから1周たりともムダにしないことです。
きちんと走行し、データを持ち帰り、チームに多くの情報をフィードバックする。その内容は非常にはっきりとしていて、曖昧なことはいっさいありません。わからないところはわからないとはっきりと言いますね。
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