角田裕毅がベルギーで見せた成長と取り戻した自信「プッシュし続けよう!」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【夏休み明けは日本GPも目前】

「シーズン序盤戦はうまくいっていて満足のいく内容でしたし、快適に走れてリズムを掴むことができていたと思います。でも、モナコGPとスペインGPの2戦連続で不運なかたちで獲れたはずのポイントを逃し、あそこからリズムが崩れてしまったんです。

 苦戦していて改善しなければならない点が多々あるな、ということを認識しました。また、彼(リカルド)のチームでの振る舞いは僕と真逆だったので、そこから学ぶこともたくさんありました。

 もちろんプレッシャーにもなりましたし、そのせいでここ数戦は少し焦りもあっていくつかミスも犯しました。だけど、シーズン前半戦最後のレースでようやくシーズン開幕当初のような状態を取り戻すことができました。簡単ではなかったですが、チームにとってもシーズン後半戦に向けて、いい後押しになったと思います」

 角田としても、チームとしても、会心のレース。10位入賞と1ポイントという結果だけでなく、内容が最高だった。そしてなにより、自分たちはやれるんだ、ということをあらためて確認することができた。

 F1は3週間の夏休みを挟み、そこから怒濤のシーズン後半戦に突入する。日本GP(決勝:9月24日)も目の前。改善の兆しが見え始めたマシンも、コンスタントに入賞を争っていくにはさらなる進化が必要だ。

 後半戦へ向けて、ようやく取り戻した自信。角田が最後に無線でチームに呼びかけた言葉に、すべてが詰まっていた。

「このままプッシュし続けよう!」

プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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