「ホンダさんとともに戦っていきたい思いもすごくある。でも...」角田裕毅がホンダのF1復帰について語った正直な気持ち (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【ホンダとアロンソの確執関係】

「チームにとってものすごくいいニュース。エキサイティングだね。これは自分たちでギアボックスを作り、独立して勝利を目指すというアストンマーティンの勝利とタイトル獲得に向けたコミットメントの証。自分たちのマシンのすべてに対して完璧を求めるなら、それが唯一の方法になる。

 2026年はレギュレーションが大幅に変わる。だからワークスチームとして自分たちのマシンを自分たちのパワーユニットに合わせて、すべて一体となって設計したほうがいいに決まっている。ただし、だからといって僕たちが2026年までタイトルを獲る可能性がないというわけではないけどね」(アロンソ)

 ホンダとの間では、マクラーレン・ホンダでの3年間に確執めいた関係にまで発展し、2度目のインディ500挑戦の際にはホンダ側がアロンソへのエンジン供給に首を縦に振らなかったという事態にもなった。

 しかし、アロンソ自身も歳を重ねて成長し、ホンダ自身も組織が変わり結果も出たことで態度は軟化している。

「ホンダとともに戦うことは、僕としては何も問題はないよ。2015年からの3年間の挑戦がうまくいかなかったことはわかっているけど、彼らもその後コンペティティブなパワーユニットを作り上げられることを証明してみせた。

 2021年にタイトルを獲得し、2022年も、そしておそらく2023年もそうなりそうだ。今のホンダはとても強力なパッケージだし、2026年の新規定に向けても非常にエキサイティングなプロジェクトになるはずだ」

 ただし、2026年にそのシートに自分が座っているかどうかはわからないと、アロンソは語った。

「2026年には44歳になるね。正直言って自分が2026年に何をしているかはわからないし、今何かを言ってもそれは嘘になるだろう。

 ただし、今フレッシュな気分でモチベーションに満ちていること、尖った感覚でいること、そして速いことは確かだ。(2026年にも)まだ楽しむことができていれば、僕はレースを続けたいと思うだろう。

 いつか、朝起きてモチベーションが感じられないとか、レースをするために飛び回る生活に疲れたと感じたら、もしくは自分に速さがないと感じたなら、真っ先に手を挙げて『これで終わりだ』と言うよ。でも、2026年まではまだまだ時間があるし、どうなるかだね」

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