F1勢力図2023を開幕3戦から分析「レッドブル23戦全勝の恐れ」「フェラーリは速さが足りない」「アルファタウリは最下位マシン」 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【アルファタウリの急務とは?】

 事実、オーストラリアGPでも終盤はマクラーレンのほうが速く、開幕にマシンの熟成が間に合わず低迷した名門も少しずつ改善の兆しを見せ始めている。テクニカルディレクターのジェームズ・キーが解任され、まだ"暫定型"でしかないMCL60はこれから新体制の下で開発が進められ、ヨーロッパラウンドには本来のMCL60が登場する。古くなってしまったファクトリー設備も新型風洞やシミュレーターなどが稼働をはじめ、これからマクラーレンの逆襲が始まる。

 そんななか、完全に出遅れて今や最下位のマシンとなってしまったアルファタウリは、空力面の開発が急務だ。ただ、中団が大接戦であるだけに、小さなゲインでもポジションが大きく上がることになる。0.3秒を稼げれば中団の最上位に浮上することも不可能ではない。

 2023年シーズン序盤の勢力図は、上位は「1強+3強接戦」、中団は「1強+5チーム大接戦」。接戦だけに勢力図は簡単に変わりうる。これからシーズンが本格化して開発スピードが上がれば、この勢力図がどのように塗り替えられていくのか──まだまだ可能性は無限大だ。

プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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