角田裕毅の5位確定ならず「ガッカリ」...最下位レベルのアルファタウリで上位を狙うには「大荒れのレース」を待つのみか? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【角田も今季初めてのミス】

 路面温度の低いFP1で、タイヤが温まっていない状態での最初のブレーキングで犯したスピンオフは、ドライバーだけのミスとは言えない。だが、角田としては今季初めてと言っていいミスだった。

「旧型フロアを使わなければならなくなったのは、間違いなく僕のミス。チームとしても理想的な状況でなかったのはたしかです。

 新型に比べれば低速コーナーでは少しパフォーマンスが劣るんですけど、中高速コーナーではそんなに違いがありません。僕としては旧型のほうが慣れ親しんだフィーリングではありました。

 もちろん、理想的なことではありません。それでも(旧型フロアのマシンで)持っているパフォーマンスは最大限に引き出すことができたと思うので、自分自身のパフォーマンスには満足しています」

 ふだんのレースで上位5チームが全員完走すれば、中団グループに入賞のチャンスはない。何台かの自滅で可能性が転がってくるとしても、1ポイントや2ポイントなど、入ってくる得点はごくわずかだ。

 しかし今回のように大荒れのレースでは、一気に大量得点が可能になる。もし角田が5位でフィニッシュしていれば、一気に10ポイントだ。

 つまり、ふだんのレースで1点1点を積み重ねるよりも、大荒れのレースで一点集中でポイントを稼いだほうが、ランキングは上位に来ることができる。中団グループの戦い方は、これまでの常識では通用しなくなってくる。

 そんな流れでの次戦は、大荒れの展開になることが多いアゼルバイジャンGP。今回の成功体験と教訓と悔しさをバネに、アルファタウリと角田の逆襲に期待したい。

プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る