角田裕毅の5位確定ならず「ガッカリ」...最下位レベルのアルファタウリで上位を狙うには「大荒れのレース」を待つのみか? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【危険な再スタートに批判の声】

 中断を挟んで残り1周でリスタートとなる際、コースインの順番は赤旗が出た瞬間ではなく「最後の計測ポイント」の順位となる。しかしリスタートからあまりに早く赤旗が出されたため、誰もセクター1を通過しておらず、再スタート前のグリッド順に戻されることになったのだ。

 そのため、角田の驚異的なジャンプアップはなかったことになり、再び13位に戻されてしまった。アルピーヌ勢2台が消えて11位に上がったとはいえ、再スタートが行なわれて事故が起きたから彼らは除外される一方で、赤旗提示前にスピンやコースオフをしたアロンソやペレス、ストロールらは救済されるという、やや不公平感のある結末となった。

 残りたった2周でのレース再開と、危険度が増すスタンディングスタートが選択されたことにも批判の声は上がった。

 DRSが使用できない超スプリントレースとなれば、スタート直後の変動がほぼすべて。たったそれだけで、ここまでの55周のレースと週末の努力が報われたりも水の泡になったりもするのだから、特に後方のドライバーたちはリスクを負ってでも攻めてくる。その結果、オーバードライブにもなる。

 ただし、残り2周のスタンディングスタート再開は2021年アゼルバイジャンGPと同様の判断であり、FIAおよびレースディレクターの方針にブレはない。大きな事故が起きなかったバクーでは批判の声は上がらず、大きな事故が起きて混乱につながった今回は結果論で批判されただけだ。つまり、見直すのであれば「結果論」ではなく、根本的なスタンスを議論し直す必要がある。

 それはさておき、レースは57周目途中のまま赤旗終了とはならず、最終58周目に全車がコースインしてセーフティカー先導でフィニッシュするという幕切れになった。11番手でコースインすることになった角田だが、アロンソに追突した4位のカルロス・サインツ(フェラーリ)に5秒加算ペナルティが科されたため、サインツの5秒以内でフィニッシュすれば10位に繰り上がるという状況となった。

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