角田裕毅「怠け者でトレーニング嫌い」だけど...今では「もっとトレーニングをさせてくれ」と頼むようになった訳 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【角田に漂う一流のオーラ】

 そのためには、契約交渉や身の回りの雑務にわずらわされることなく、レースだけに100%集中する環境作りが大切だということにも気づいた。そのため角田はマネージメント体制の強化を図ってきている。

「去年も、契約更新するとかしないとかいう話が出てきた時に焦って、自分のパフォーマンスを出しきれていない部分もありました。今年はマネージャーもいて心強いサポートを得たことで、そういった部分はなくしていきたいと思っています。自分のなかで何がよくなかったのかを見つめ直して、特にレースのシチュエーションのなかでポイントが取れる・取れないの見極め方がもっとクリアになっているので、よくなっていると思います」

 チームとのつき合い方やメディア対応など、過去2年間にはなかったマネージャーからのアドバイスによって随分と変わった。

 レースに100%集中するために周りの環境を整える努力をし、レースで100%実力を発揮するためにトレーニングもエンジニアとの関係強化も努力してきた。自分にやれるかぎりのことをやり尽くし、これ以上なく努力しているという自負が、角田に自信を与えているのだと感じられる。

 F1のような世界でトップドライバーを取材していれば時折出会う、努力をし、結果を出している人間特有のオーラというものが、角田からも感じられるようになった。

 実際、3日間のバーレーン合同テストで一発の速さでも、ロングランでも速さを示したのは、角田のほうだった。

「去年の開幕前のクルマに比べると大きくインプルーブしています。主に中高速域でのダウンフォース量が増えたことですね。昨年型マシンは高速コーナーでスライドしまくっていたのが大きなリミテーションになっていましたけど、そこは間違いなく改善しています」

 昨年型マシンの最大の欠点だったダウンフォース不足はしっかりと改善され、バーレーンのターン12も簡単に全開で行けるようになった。

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