フェラーリ陣営「レッドブルの後塵を拝している」は本当か? 角田裕毅の調子は? F1開幕直前ライバル同士は「実力を見せず」腹の探り合い (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【アルファタウリの弱点は?】

 アルファタウリは、角田裕毅が最終日の最後に6番手タイムを記録。「中団グループで戦える」という手応えを掴んでみせた。

「けっこういいラップタイムだったんじゃないかなと思います。もちろんドライバーとしては『まだあそこはいける、あそこはもうちょっと削れる』というところはありますけど、一番よかったのはフレッシュタイヤを履くたびに(ミスなく)タイムを更新していけたことですね」

 AT04は正常進化型だが、昨年の弱点であった高速コーナーでのダウンフォース不足が改善され、ターン12のような高速コーナーでも簡単にスロットル全開で走れるようになったという。

「マシンのフィーリングはポジティブでした。去年のマシンは高速コーナーでスライドしまくっていたのが大きな課題になっていましたけど、中高速域でのダウンフォース量が増えていて、間違いなく改善しています。ただ、高速域がよくなったのに対して、低速域は(昨年型と)変わっていないなという感じです。そこが改善できれば、かなりいいクルマになると思います」

 同じ中団グループでは、アルファロメオがC5タイヤを履いて総合3番手のタイムを記録している。タイヤの差を勘案すれば両者はほぼ同じタイムであり、それが中団で戦えるという手応えの理由だ。

 夜にタイムアタックを行なっただけでなく、ニック・デ・フリースともに角田は昼間にレースシミュレーションも行なっている。ややデグラデーションの大きさが気になると角田は言うが、リアが不安定なマシンバランスを改善できればデグラデーションは向上するはずだとも言う。

「クルマのパフォーマンスとして自分たちがどこにいるか、まだはっきりとはわかりません。だけどそれはそれとして、自分は自分のやれることに集中して、100%を開幕戦から出しきれればと思います。

 アルファタウリも状況は重く見ているので、さらに突き詰めて開幕に臨むという意味でもいいことだと思います。僕も今回のテストではフィードバックだったり、無線の使い方もうまく向上できました。これからチームと話し合ってしっかりと準備し、開幕戦のレース週末でより完成されたドライバーとしてスタートが切れればと思っています」

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