「フェルスタッペンはファンサービスしない」「ラッセルは腹黒い」。F1カメラマン2人が目撃した一流ドライバーたちの意外な一面 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【ホンダの活躍に感激】

ーー2022年シーズンで最も心に残っている出来事を教えてください。

熱田 僕が一番感動したのは、やっぱりホンダの活躍です。ホンダが開発したパワーユニットを搭載するレッドブルがコンストラクターズチャンピオンを獲得しました。アメリカGPのレース後にホンダのスタッフみんなが喜んでいる顔を見て、感激。それが僕にとってシーズンのハイライトですね。

 ホンダの現場スタッフは前年に比べると少数精鋭という形でしたが、ホンダは31年ぶりのコンストラクターズチャンピオンになります。2021年のフェルスタッペンのドライバーズチャンピオン獲得は、ホンダのスタッフにとってはもちろんうれしかったと思います。

 でも一番獲りたいのはコンストラクターのタイトルだと、スタッフ全員が話していましたから。ベルギーGPではホンダのエンジニアである吉野(誠)さんが表彰台に上がりました。レッドブルにもすごく評価されています。

この記事に関連する写真を見る桜井 僕はフェラーリに期待していたんですけどね。開幕前テストへ取材に行った時に、マシンがものすごく速かった。しかもドライバーはフェルスタッペンに匹敵する実力を持つルクレール。

 最高のマシンと最高のドライバーがいるので、チャンピオンは確実だと思っていたのですが、あの体たらくです......。チャンピオンになるためにはチーム力が大事だということを再認識させられたシーズンだったと思います。

この記事に関連する写真を見る熱田 ドライバーの重要さもわかった年だったと思います。ハースから2年ぶりに復帰したケビン・マグヌッセンが頑張って、チームをコンストラクターズ選手権で最下位から8位に躍進させました。

 ハースは前年、ミック・シューマッハとニキータ・マゼピンという若いコンビで臨みましたが、まったくダメだった。ところがドライバーひとりが入れ替わっただけで、劇的にチームの成績で変わりました。

 コンストラクターズランキングがひとつ上がればF1を運営するリバティ・メディアから配られる賞金額が増え、開発予算も大きく変わってきます。

 中団グループはその順位を上げることがすごく大事。ドライバーが持ってくるスポンサーマネーをあてにするのか、いいドライバーを雇って賞金で稼いでいくのか。どっちがいいのかというのが、よくわかった一年だったと思います。

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