岩佐歩夢のレース歴は驚愕「まだ3年」。レッドブルの英才教育で「F1に上がった瞬間から戦えるドライバーになる」 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【F1昇格だけが目標ではない】

「2年目をやるからにはもちろんチャンピオンを狙いますし、狙えないとは思っていません。全力でプッシュしつつ、初年度に得た経験を生かしたレースをしたいと思います。

 今シーズン後半戦に見せることができた強さというのを武器にしつつ、まだまだそこから伸びしろはあると思っています。ルクレールの走りを見ても、自分が積み上げてきたところからさらに行ける部分があるというのは見えました。さらに強くなって、自分のポテンシャルを結果に結びつけられるようなシーズンにしたいと思っています」

 その先にあるF1については「昇格」が目標ではない。昇格して「初年度から速さを見せること」が目標であり、そのための準備を着実にやるのが2023年のもうひとつの目標だと岩佐は言う。この成熟ぶりこそ、岩佐の圧倒的な強さであり、ワクワクさせてくれるところだ。

「それともうひとつの目標は、自分自身の成長ですね。F2を戦いながらF1に向けてしっかりと準備をしていきたいと思っています。

 一番大事な目標は(F1ドライバーになるだけではなく)F1に昇格してすぐにパフォーマンスを出せるドライバーになるということ。F1で勝つことが目標なので、F1に上がった瞬間からしっかり戦えるドライバーになるために、もっと成長できるよう努力することが大切だと考えています。

 そこに集中し、自分の目の前のレースを全力で戦い、またさらに改善して......というのをひとつずつ積み重ねて、F1にステップアップし、ワールドチャンピオンになることを目標に準備を進めていきたいと思います」

 2022年に理論を行動に移し、現実にした岩佐が、2023年はもっと我々をワクワクさせてくれるはずだ。

【筆者プロフィール】米家峰起(よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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