レッドブル激推し「20歳のエリートF1候補生」ニッポン襲来。フェルスタッペン&角田裕毅の「後輩」の実力は? (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • photo by Getty Images

【同じ名前のコンビニに大興奮】

 ローソンの人柄もチーム内の評価は高いようだ。田中監督はテスト中のエピソードを語る。

「テスト前日には『絶対にクラッシュするなよ。走行時間をきっちり走りきることが重要だから』と伝えたところ、外国人ドライバーはだいたい言うことを聞かなかったりするんですが(苦笑)、彼はきっちりと守っていましたね。ちゃんと人の話に耳を傾けているし、素直だし......。逆にビックリしました」

 田中監督は2017年に1年間だけ在籍したガスリーとも重ね合わせ、「同じような雰囲気を感じるので、すごく期待できると思います」と語った。

 2日間の走行を終えたローソンは、満足そうな表情を浮かべながらも、貪欲な姿勢をのぞかせる。

「ニュータイヤでのアタックラップも経験できたし、レースを想定してロングランのテストもできた。走れば走るほど、クルマやタイヤのことがわかってきた。自信もついているし、周回を重ねていくごとにプッシュできる量も多くなっている。もっと走る時間がほしいな」

 チームメイトは野尻智紀。2021年と2022年のチャンピオンで来シーズン3連覇がかかっている。レース展開次第では、野尻に対抗するライバルとして、ローソンの名も上がってきそうだ。もしそのような状況になれば、ローソンのF1ステップアップもそう遠くはないだろう。

 ちなみに。来日したローソンは、同じ名前のコンビニエンスストアを見つけて大興奮したという「スポンサーになってもらえないかな?」。活躍次第では、こちらの動向も目が離せない。

【筆者プロフィール】吉田知弘(よした・ともひろ)
モータースポーツジャーナリスト。1984年12月19日生まれ、石川県出身。2011年よりスーパーGT、スーパーフォーミュラなど国内4輪レースを中心に取材。専門誌やweb媒体などで執筆中。日本モータースポーツ記者会所属。

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