角田裕毅が移籍するガスリーに感謝の言葉。「彼がいなければ、ここまで成長できなかった」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

ガスリーはアルピーヌに移籍

 ガスリーはソフトタイヤでスタートし、ハードタイヤに履き替えて最後まで走りきる戦略に切り替えたが、アルボンに抑え込まれて抜け出せないまま14位でレースを終えることになってしまった。

 そういった意味で、最終戦アブダビGPはアルファタウリにとって2022年シーズンのいいところも悪いところも象徴するようなレース週末になった。

 そんな苦しいなかで1年間を戦ってきた角田は、ドライバーとしても人間としても成長を遂げた。

「1戦1戦、自分なりにいろんな部分で成長できた1年だったかなと思います。シーズンを通して常に進歩することができたと思いますし、クルマに対する理解が深まりましたし、クルマを使いこなす感覚と自信が深まりました。もちろん、コンシステンシー(安定性)などまだ改善しなければならない点はありますけど、ここまでの進歩には満足しています」

 F1デビューから2年間をともに戦ってきたガスリーは、このレースを最後にアルピーヌへと移籍する。

 チームオーダーや同士討ちでギクシャクしたことはあっても、すぐに仲直りし、ドライバーとしてだけでなくコース外での友人としても良好な関係を築いてきた。1年目には明らかに差があったふたりも、今年は同等の走りをするようになり、ガスリーが角田の速さを認めた結果でもあった。

「この2年間でピエールからはたくさんのことを学びました。ドライビングだけじゃなくて、レースに向けてどんなふうに準備を整えるかなど、レースに対する姿勢ですね。チームとのコミュニケーションの仕方やフィードバックの仕方なども彼から学ばせてもらいました。彼がいなければ、ここまで成長できなかったと思いますし、彼にはすごく感謝しています」

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