「こんなクソみたいなことにはうんざりだ」。オーダー無視批判にフェルスタッペンが怒りの反論 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY, Yoneya Mineoki

角田は昨年4位フィニッシュ

 ブラジルでフェルスタッペンを先行させてランキング2位を争うシャルル・ルクレールのポイントを削らせようとしたのも、それが無理とわかった時点でペレスに6位を譲り返させようとしたのも、チームがもっとも大切にしている目標を達成するためであり、チームの利益のためだ。単なるチームオーダーではない。だからチームは、フェルスタッペンも当然その指示に従うだろうと思っていた。

 しかし、フェルスタッペンにとって最も大切なものは違っていた。背景にどんな経緯や理由があろうと、その事実に変わりはない。

 果たしてアブダビGPでフェルスタッペンがどんなレースをするのか。昨年とは違った意味で注目が集まっている。

角田裕毅は今季最終戦でどんな走りを見せるか角田裕毅は今季最終戦でどんな走りを見せるかこの記事に関連する写真を見る 一方、角田裕毅にとっては、アブダビは昨年4位に入り、シーズンの最後にようやく光を掴んだ場所だ。

 だが角田は、楽観視はしていない。今年はマシン性能が思わしくなく、空力性能不足と重量過多が響いているだけに、セクター3のようなツイスティな場所では苦労しそうだ。

「去年のアブダビGPは予選8位・決勝4位で、ピエール(・ガスリー)のひとつ前でフィニッシュしてすばらしい週末でした。とてもいい思い出です。シーズンを通してビルドアップした自信をチームに対して証明することができたと思います。

 今年もあんなレースが再現できればと思っていますが、去年に比べて今年はクルマが苦戦しています。去年がよかったからといって今年がよいというわけではないので、特に期待を高く持ちすぎずにいつもどおりのレースができれば。でも、Q3と一番重要なのはポイント獲得なので、その明確な目標を掲げつつ、レース週末を過ごしたいなと思っています」

 前戦サンパウロGPでは週末を通して異様なグリップ不足に苦しんだ。だが、前後ウイングやフロアを交換して臨んだ決勝ではパフォーマンスの改善が見られ、グリップ不足の原因はほぼ掴めているという。

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