フェルスタッペン&レッドブル、王座防衛へカウントダウン。フェラーリは地元モンツァでの完敗に白旗宣言 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

使い古しのタイヤでも余裕

 2ストップ作戦を採るということは、1ストップのフェルスタッペンよりもフレッシュなタイヤで走り、常にハイペースで約20秒のピットストップ1回分のロスを取り戻さなければならない。

 しかし、フェルスタッペンより12周フレッシュなミディアムで得たアドバンテージは、わずかに1周約0.3秒。ソフトに交換して8周フレッシュな状態で20秒を追いかけようとするが、削り取れるのは1周0.3〜0.4秒。

 戦略のミスではなく、シンプルにマシンの速さが足りなかった。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表も、どんな戦略を採ろうとも今日のフェルスタッペンとRB18を打ち負かすことは不可能だったと語る。

「彼らがあの戦略を採ったのかは理解できる。今日我々が勝てたのは、単純に我々のマシンのほうが速かったから。戦略的にフェラーリは正しい判断を下したと言える。ただ、その戦略判断とは関係なく、いずれにしても我々は勝てていたはず」

 それを一番よく知るのは、フェルスタッペン自身だ。ルクレールが8周フレッシュなソフトで最後の追い上げを開始したところでも、フェルスタッペンは使い古しのミディアムで余裕の走りだったと告白する。

「どのコンパウンドでも僕らは最速だった。デグラデーションもとてもよかった。本当にすばらしいクルマの仕上がりだったよ。そういう意味では、DRS(※)トレインができてしまう前に1周目で何台もクリアできたのは大きかった。最後はギャップをコントロールしていた」

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 レッドブルはいつもなら、ロードラッグのマシン特性を生かし、コーナーでは最速でなくてもストレートでタイムを稼ぎトップに立つ。

 しかし、超高速で全開率が75%に達しようかというモンツァでは、逆にダウンフォースをつけてきた。ストレート最速の座はフェラーリに譲り、代わりに中高速コーナーでタイムを稼ぐ。

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