モーターホームで世界を転戦する女子高生レーサーJujuが新たな一歩。年齢も性別も「コースに出てしまえば関係ない」 (3ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

家族4人でモーターホーム暮らし

ーー今シーズンは3カテゴリーに出場されるので、移動の連続だと思います。拠点はどこに置いて生活しているのですか?

Juju
 現在は両親と小学6年生の弟と4人で、モーターホーム(キャンピングカー)で暮らしています。過去2年間はデンマークが拠点でしたが、今年は年が明けてからいろんなところを転々としていたので、まだデンマークに戻れてないんです。今年は、モーターホームでいろんなところを移動しながらレースをするのかなって思っています。

野田英樹 モーターホームは、Jujuを支援していただいているアドリアというメーカーが提供してくれています。アドリアで一番大きい「ソニック810」という車両で、シャワーやキッチンなどひと通りはついています。家族4人だと少し窮屈ですけど、2人だとちょっと広すぎるかなという感じです。ワンルームマンションよりはかなり快適に過ごせるかなと思います。

Juju 家族4人で全然生活できます。ベッドルームもクルマの前後に2つあります。それぞれのベッドルームは仕切ることができますので、自分のプライベートの空間もあって。すごく快適ですし、レースにも集中できています。

ーーレース以外の時はどんなふうに過ごしているのですか? 息抜きはありますか?

Juju 移動時間にアニメを見るくらいですね。ヨーロッパと日本は時差の関係で、私が起きたら日本は寝る時間。友達と連絡を取るにしても、なかなか時間が合わないんです。あと私は今、高校2年生なので勉強もしています。オンラインで授業を受けていますし、学校の課題がまとめて送られてくるので、それをやっています。

ーーモーターホームでの「旅」で最近楽しかったことは?

Juju この間、イタリアで一日だけ時間に余裕があったので海に行ったり、弟と川にいる鳥を見て遊んだりしていました(笑)。

ーーメインで戦うWシリーズが5月6〜8日、アメリカ・マイアミでスタートします。世界のトップカテゴリーで勝つという夢にまた一歩近づき、ワクワクしているのでは?

Juju 
そうですね! Wシリーズ参戦というチャンスを生かすことができれば、自分の夢に本当に近づくと思っていますのですごく楽しみです。でも今シーズンは2年目に結果を出すための学びの年。落ち着いて、楽しみながら戦っていきたいです。

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Juju 野田樹潤 のだ・じゅじゅ 
2006年2月、東京都生まれ、岡山県育ち。3歳の頃に父からプレゼントされたカートに乗り始め、4歳でレースデビュー。6歳からF4マシンをドライブし、2020年から海外のレースに参戦。デンマークF4選手権ではデビューウィンを飾った。今季からはWシリーズで戦う。

野田英樹 のだ・ひでき 
1969年3月、大阪府生まれ。1982年にカートデビューし、1987年にフォーミュラカーレースにステップアップ。1989年に渡欧し、イギリスF3や国際F3000で活躍。1994年にラルースからF1デビューを果たす。その後、アメリカのインディ・ライツやインディカー選手権、国内最高峰のスーパーフォーミュラやスーパーGT、ルマン24時間レースにも出場。2010年に現役を引退。2013年に「NODAレーシングアカデミー」を開校し、世界で活躍するレーサーの育成に力を注いでいる。

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