【F1】ホンダ、火を噴く激走。最終戦12位・17位でも笑顔の理由 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 FP-1(フリー走行1回目)と決勝でフェルナンド・アロンソのERS(エネルギー回生システム)のバッテリーパック内センサーにトラブルが出たのは、いつもより多く車体底面を路面に打ち付けたせいだった可能性が高い。バッテリーパックは床下にほど近い、モノコック底面に設置されているからだ。

「いろんな試行錯誤を重ねた結果、『このセッティングに落ち着くのが最善』だという結論になった。これまでずっとやってきた"ハイレイク"をやや緩め、脚回りを柔らかくした。そのせいで、あれだけ火花が出ることになったんだ」

 マクラーレン・ホンダのある関係者はそう語る。

 常に車体を前傾姿勢にし、マシン全体をウイングのようにして走る。それがレイク(傾斜)を大きくつけた状態――つまり、"ハイレイク"だ。今季のマクラーレンはレッドブルから空力エンジニアを引き抜き、彼らが長年にわたって成功を収めてきたそのハイレイクの手法を模倣した。

 しかし、空力コンセプトを完全に刷新したことにより、昨年までのデータはほとんど使えなくなり、チームは今季型マシンをモノにするのに試行錯誤を強いられることになってしまった。

「僕らはパワーユニットだけなく、空力面でも進歩が必要だ。今年の僕らはハイレイクをつけた新しいアイディアの空力フィロソフィーを導入したから、まだそれを十分に使いこなせていないんだ」(ジェンソン・バトン)

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