【F1】「ここからダッシュ」。マクラーレン・ホンダに入賞の現実味 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 新井は控え目にそう言ったが、自分たちの進歩に手応えを感じていることは、その表情から明らかだった。前戦バーレーンGPではアロンソが予選でQ2(※)に進んだ。となれば、次はQ3という目標が見えてくる。
※予選はQ1~Q3まであり、Q2に残るのは上位15台、Q3は上位10台

「そのステップに行かないと、進歩していないことになりますから、頑張ります。今日取れたデータで明日のセットアップをキチッと出して、より速くするまでです」

 マクラーレン・ホンダは、金曜も許可されている作業時刻ギリギリの深夜1時前まで準備を行なっていた。にもかかわらず、土曜に走り始めてみると思ったようなパフォーマンスが得られなかった。新パーツの投入によって変化した空力特性に、パワーユニットの出力特性を合わせきれなかったのだ。予選はアロンソが13位、ジェンソン・バトンが14位と、予想外の苦戦を強いられた。

「車体側は空力特性やステアリングの感度といったところで変わっていますから、それに合わせてパワーユニット側のエネルギーマネジメントをまとめきれないまま予選を迎えてしまった。出力(を向上させるための開発)に関しては、いろんなところをいじってきたんですけど、その効果を十分に発揮できなかった」

 そう説明する新井は、「もっと上に行けると思っていた」と悔しそうな表情を見せた。それでも、決勝までに制御ソフトウェア面のさらなる煮詰めを行ない、レースペースではライバルたちを上回ることを目指した。

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