【F1】「ここからダッシュ」。マクラーレン・ホンダに入賞の現実味

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 マクラーレン・ホンダも数々の空力パーツを用意して、カラーリングを一新してきた。ホンダがパワーユニットに大幅な改良を施すのではないかとも報じられたが、実際には、開幕からの開発計画の延長線上にあるものを持ち込んできた。

「一部では(大型アップデートで)『スゴいことが起きるんじゃないか?』みたいに書かれていましたけど(苦笑)、そういうことはありません」

 そう語る新井康久F1総責任者は、アップデートの詳細については明らかにしなかったが、スペインGPから2台揃って3基目のICE(内燃機関エンジン)を投入したところから見ても、ハードウェア面に改良が施されたことは間違いない。

「信頼性確保を目的としてFIAに認められた開発です。それ以外にも、ソフトウェア面でもアップデートしたところはかなりあります」(新井)

 パワーユニットも車体も、多くの新たな要素が用意されたがゆえに、金曜のフリー走行ではその確認に追われることになった。それでも、開幕からの4戦で経験値は高まっており、限られた時間内で修正はうまくいったようだった。

「FP-1(フリー走行1回目)はいろんなことをやって確認をしているうちに、とっ散らかったまま終わってしまった(苦笑)。パワーユニット側もそうですし、シャシー側も、相当いろんなことをやってきましたから、確認しているうちに1時間半が過ぎてしまいました。

 でも、FP-2(フリー走行2回目)はそれを踏まえて良いバランスを見つけ始めていたので、そこそこの結果になったかなと思います(7位と11位)。ようやく良い方向に回り出す、というところで終わってしまったので、データを見てまとめ上げることをFP-3(フリー走行3回目)でやって、予選に臨まなければなりません」

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