【F1】攻めの姿勢を崩さない小林可夢偉。「守りに入る理由はない」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

ドイツGPで4位に入るなど上位争いを続ける小林可夢偉ドイツGPで4位に入るなど上位争いを続ける小林可夢偉
『可夢偉語録2012』part3

「ポールポジションを獲って、1周目にトップに立って、そのまま優勝っていうのが目標!」(Rd.9 イギリスGP/開幕前)

 前戦ヨーロッパGPでの接触で5グリッド降格を言い渡されていた可夢偉だが、シルバーストンはマシン特性があっていることもあって自信あり。それだけに5グリッド降格は痛かったが、「全然気にしないで気楽にいく」と前向き。それはどのくらい本気なの?と聞かれると、「気持ちは150%以上ですよ、1000%本気ですよ。でも、実際に獲れるか獲られへんかは知らないけどね(笑)。夢を見るのは簡単やからね」と、可夢偉らしいポジティブシンキングの理論が分かる発言。


「ホントにバカって言うしかない」(Rd.9 イギリスGP/予選12位/決勝11位)

 豪雨で赤旗中団になったQ⒉で、セッション再開に向けて焦りのあまりタイヤ選択をミスしたザウバー。可夢偉が「ウエットタイヤで行こう」と言ったにもかかわらず無視されたうえでのミスであり、可夢偉も「トラック(トランスポーター)を引っ繰り返したろかと思った」というほどの怒りっぷり。路面がかなりの水量で難しいコンディションだっただけに、残り6分でピットに戻ってタイヤを交換するというタイムロスは痛かった。

「どこがどれだけ濡れてるか分からん状況で、どこまでプッシュすればいいか分からないし。他のみんなはプッシュして(路面状況を)勉強してから最後にアタックしてるのに、僕はいきなりアタックなんやから。どこまで行っていいか分からんし、もちろん飛び出したらゲームオーバーやし」
 ただし、関西人の可夢偉が「アホ」ではなく敢えて「バカ」と言っていることからして、少し婉曲的な表現であって、心の底から罵倒しているわけではないことはご理解頂きたい。

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