天皇賞・春は大胆な騎乗に定評がある名手の手腕に要注意 20年前の"大逃げ"再現の可能性も!? (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku

 2走前のGIIIダイヤモンドS(2月17日/東京・芝3400m)では、最重量の58.5kgのハンデを背負って、2着サリエラ(牝5歳)以下を完封。前走の阪神大賞典では、難敵のライバルたちに大差をつけて完勝しました。

 3歳時から長い距離での走りに定評のあった馬ですが、GI獲りへ、いよいよ機が熟した感があります。

――この人気2頭が能力を出しきれば、平穏決着で終わりそうですが、もし伏兵が割って入るとしたら、どういったパターンが考えられますか。

大西 長距離戦ということを踏まえれば、やはり人気薄の逃げ馬には注意が必要でしょう。ただ、今年のメンバーを見渡すと、これといった逃げ馬は見当たりません。

 ドゥレッツァが菊花賞で逃げましたが、あれは大外枠を嫌ったクリストフ・ルメール騎手がスタートから出していったら、偶然ハナに立ってしまっただけ。今回代打騎乗となる戸崎圭太騎手が、人気を背負った状況で積極的に逃げの手に出るとは思えません。

 そうなると、前走のGII日経賞(4着。3月23日/中山・芝2500m)で逃げの手を試みた、横山典弘騎手騎乗のマテンロウレオ(牡5歳)が逃げる可能性が高いと思います。日経賞でも道中では後続を引き離しての大逃げの形をつくって、ゴール前まで"あわや"というシーンを演じました。

マテンロウレオは天皇賞・春でどんなレースを見せるのか。photo by Eiichi Yamane/AFLOマテンロウレオは天皇賞・春でどんなレースを見せるのか。photo by Eiichi Yamane/AFLOこの記事に関連する写真を見る あの競馬は、天皇賞・春で逃げることを見据えての試走だと思いますし、人馬ともに2度目の逃げなら、よりリズムよく走れるのではないでしょうか。

 横山典弘騎手の天皇賞・春での逃げ切りと言えば、2004年のイングランディーレが思い出されます。向こう正面で後続に大差をつけ、3コーナーでも20馬身ほどのリードがあったでしょうか。結局、後続馬にいっさい影を踏ませることなく、2着に7馬身もの差をつけて戴冠を遂げました。

「長距離戦は騎手で買え」という格言があるように、長い距離のレースほど騎手の手腕、駆け引きが重要度を増します。ということで、天皇賞・春では横山典弘騎手の腕を最も警戒して、マテンロウレオを「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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