皐月賞は「大荒れ」の可能性!? 人気馬が不安を抱えるなか、伏兵2頭が波乱を起こす (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

 現にモレイラ騎手も、『跳びが大きくてスタミナがあるタイプ。スムーズに運べればいい競馬になりそう』と好感触を得た様子。道中のポジションアップを得意とするジョッキーだけに、いかにも手が合いそうで、桜花賞の騎乗を見ても(2番人気ステレンボッシュに騎乗して勝利)、馬の能力以上のプラスアルファが期待できます」

 藤田記者が推奨するもう1頭は、ダノンデサイル(牡3歳)だ。

「同馬はデビュー当初、気性の若さが目立っていましたが、横山典弘騎手と安田翔伍調教師が地道に教え込んできたことが着実に実になってきました。ハミ受けや口向きの難しさが徐々に改善され、スムーズさを欠いて4着に敗れたGIII京都2歳S(11月25日/京都・芝2000m)と比べて、GIII京成杯(1着。1月14日/中山・芝2000m)では格段にレース運びが向上していました。

 京成杯の勝利で賞金が加算できたため、早々に皐月賞への直行を表明。前走後からのゆとりを持ったローテーションには好感が持てますし、放牧を挟んで心身のベースアップに成功したのも心強い限りです。

 この中間は京成杯前と比較しても、一段階踏み込んだ調教を課していて、1週前追い切りでは全体時計(6ハロン)81秒0ながら、終(しま)いの1ハロンでは11秒2のキレ味を見せました。

 直前は、主戦の横山典騎手に感触を確かめてもらいましたが、適度な前進気勢で走る気満々。馬体の張りや艶からも出来のよさがうかがい知れました。まだまだ奥があって伸びしろを残しているだけに、侮れない存在ですよ」

 振り返れば、ファンディーナが出走した2017年は、9番人気のアルアインが勝利。2、3着にも伏兵馬が突っ込んできて、3連単の配当は100万円を超えた。牝馬が参戦する今年、再び"大荒れ"となるのか。もしそうなった場合には、ここに挙げた2頭がその一端を担ってもおかしくない。

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