皐月賞は「大荒れ」の可能性!? 人気馬が不安を抱えるなか、伏兵2頭が波乱を起こす (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

 さらに藤田記者は、他の有力馬にも疑問の目を向けてこんな見解を示す。

「GIII共同通信杯(2月11日/東京・芝1800m)を勝ったジャスティンミラノ(牡3歳)は、スローの競馬しか経験していません。そのうえ、今回は初めての右回り。懸念材料が多いです。また、2歳王者のジャンタルマンタル(牡3歳)も、折り合い面から距離延長には不安が残ります。

 これだけの大混戦のなか、有力馬に不安があれば、伏兵馬の躍進があってもおかしくありません。当然、超高配当が生まれる可能性は十分にあります」

 そうして、藤田記者は皐月賞で激走が期待できる2頭の穴馬候補の名前を挙げた。

「1頭目は、コスモキュランダ(牡3歳)です。主要な重賞に参戦してきたシンエンペラー(牡3歳)を物差しにしても、上位の評価が与えられます。

弥生賞で強い競馬を見せたコスモキュランダ。photo by Sankei Visual弥生賞で強い競馬を見せたコスモキュランダ。photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る とにかく、そのシンエンペラーを2着に退けたGII弥生賞(3月3日/中山・芝2000m)の勝ちっぷりが優秀でした。平均的な流れのなか、早めに進出してそのまま押しきり勝ち。その危なげないレースぶりは着差以上の強さで、決してフロックではできない芸当です。

 しんがり負けから始まった異色のキャリアの持ち主ですが、一戦ごとの地力強化には目覚ましいものがあります。一瞬の脚や器用さには欠けるものの、心肺機能に優れたタイプ。荒れていて、時計のかかる今の中山の馬場もぴったりです。

 状態に関しても、さらに上向いている印象です。1週前にコースで併せ馬を行なって、6ハロン80秒2-1ハロン11秒7という好タイムをマークして追走先着。最終追い切りは微調整ながら、ジョアン・モレイラ騎手の騎乗で軽快な動きを披露しました。

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