戦国模様の皐月賞を見極める「3歳牡馬ランキング」 有力馬が秘める強みとは? (3ページ目)

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この記事に関連する写真を見る 前回、ポイントタイで3頭が入った3位は、ジャスティンミラノ(牡3歳/キズナ)が単独でランクイン。共同通信杯で2歳王者ジャンタルマンタルを2着に下し、同レース7着のミスタージーティー(牡3歳/父ドゥラメンテ)が次走のリステッド競走・若葉S(3月16日/阪神・芝2000m)を快勝していることから、評価が上がった。

本誌競馬班
「出世レースの共同通信杯をデビュー2戦目で完勝。同レースで破ったメンバーを考えても、現状この世代では最上位の存在と見ます」

 4位は、前回ランク外に落ちたジャンタルマンタルが再浮上。共同通信杯で初めて土がついたが、先を見据えた一戦だったことを思えば、見限るのは早計かもしれない。

伊吹氏
「3月24日終了時点の本賞金は1億3120万円。JRAに所属する現3歳世代の馬としては、牝馬を含めても単独トップです。

 近年の皐月賞は、関東圏の重賞で好走したことのある馬が優勢。東京か、中山の重賞で"着順が2着以内、かつ4コーナー通過順が2番手以下となった経験がない"馬は2020年以降、0勝、2着0回、3着0回、着外42回(3着内率0.0%)とまったく上位に食い込めていません。

 その点、同馬は2着止まりだったとはいえ、前走の共同通信杯で関東遠征を経験したことがプラスに働くはず。素直に中心視していいのではないでしょうか」

 5位には、2頭の馬が新たにランクインを果たした。1頭は、3戦無敗でスプリングSを制したシックスペンス(牡3歳/父キズナ)。春のクラシックは、皐月賞をパスしてダービー1本に絞って全力を注ぐ予定だ。

吉田氏
「回転の速いピッチ走法で折り合いがつき、仕掛けてからのギアチェンジが素早く、瞬発力に秀でたキズナ産駒。同産駒としては異色のタイプと言っていいですが、前述した武器をいかんなく発揮できたのがスプリングSでしょう。

 行き脚よく好位で折り合って、終始ノンプレッシャーで追走。スローの上がり勝負を最高の形で直線に向くと、ラスト3ハロン33秒3という好時計を計測して突き抜けました。

 ただ、馬体や走法などから、この条件がベストだったことは明らか。上がりを要するタフな設定やスタミナ色が濃い舞台になると、不安が出てくる可能性があります。ダービーでは、上がり勝負になることが好走のポイントとなるでしょう」

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