戦国模様の皐月賞を見極める「3歳牡馬ランキング」 有力馬が秘める強みとは? (2ページ目)

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この記事に関連する写真を見る 1位は、前回と同じくレガレイラ。ポイントは前回から5ポイントアップした。しかしそれは、ライバルたちの脱落によるところが大きく、押し出された1位評価といった感があるのは否めない。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「つなぎは少し短めですが、クッションが抜群。回転の速いピッチ走法で速い脚が使えるタイプです。道中でゆったりと走れて折り合いがつき、馬込みやキックバックをまったく気にしない精神的な強さが、牡馬相手にも結果を残せた要因でしょう。

 発馬に課題はありますが、適度に荒れた内回りの中山・芝2000mは、高いパフォーマンスが発揮できる舞台設定。逆に、GI日本ダービー(5月26日)の舞台となる東京・芝2400mは、一瞬の脚をどう引き出すかがポイントとなりそう。だとしても、今年の牡馬戦線なら堂々と主役を務めてもおかしくありません」

伊吹雅也氏(競馬評論家)
「3月24日終了時点の一走あたり賞金は2716万円。JRAに所属する現3歳世代の馬としては、アスコリピチェーノ(3440万円)、ジャンタルマンタル(3280万円)に次ぐ単独3位です。

 近年の皐月賞は血統が重要。父にディープインパクト系種牡馬を持つ馬は2020年以降、1勝、2着0回、3着0回、着外18回(3着内率5.3%)、父にキングカメハメハ系種牡馬を持つ馬は2020年以降、0勝、2着1回、3着0回、着外10回(3着内率9.1%)と、それぞれ期待を裏切りがちです。

 レガレイラはこの両父系に属さないスワーヴリチャードの産駒。不安要素は比較的少ないと見ていいでしょう」

 2位も前回同様、シンエンペラーが入った。弥生賞では人気薄馬の2着と不覚を取り、安定感はあるが、パンチ力に欠けるという印象を残した。本番までに上積みがあるかどうかが、巻き返しへのポイントになる。

木南友輔氏(日刊スポーツ)
「前回上位に挙げた馬たちがトライアルでがっかりな結果に終わってしまいました。そのなかで、2着に敗れはしたものの、弥生賞で安定感のある競馬をし、ここまでの激戦を生き残ってきたことを踏まえると、(牡馬クラシックでは)この馬が中心かな、と見ています」

吉田氏
「ホープフルSで走っている舞台に再度参戦した弥生賞。頭が高い走法で、まだまだトモ腰に甘さがあり、本番に向けての不安を解消するには勝つことが一番だったと思いますが、結果的には伏兵のタイミングのいいマクりに屈してしまいました。

 ともあれ、長くいい脚を使って2着と崩れなかったあたりは地力の高さでしょう。現状では心肺機能の強さを生かす、早め早めの競馬を試みてタフな流れに持ち込んだほうがよそそう。上がりの速くなる東京・芝2400mよりは、適度に荒れた中山の芝2000mが合いそうです」

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