桜花賞の勝ち馬が見えてくる「3歳牝馬ランキング」――勝負が決するのは3日後 (2ページ目)

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この記事に関連する写真を見る 1位は前回同様、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月10日/阪神・芝1600m)を制して、2歳女王となったアスコリピチェーノ(牝3歳/父ダイワメジャー)。桜花賞には同レースからのぶっつけとなるが、ここまで評価を落とすことはなかった。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「前が強い体形の馬は、本質的に頑強な先行力を発揮するタイプが多いです。それは、終(しま)いの末脚の爆発力に影響する後肢(トモ)が甘いからですが、この馬は前駆体型でも、追ってしぶとい脚が使える異質なタイプ。この辺りが、レースでの勝負強さにつながっているのでしょう。

 阪神JFでも、その勝負強さを発揮。直線に入って、まずは外から襲いかかってきたコラソンビート(牝3歳/父スワーヴリチャード)に並ばれますが、そこで右手前に戻して同馬を振りきり、その直後、今度は内からステレンボッシュ(牝3歳/父エピファネイア)が迫ってきた際には左手前に戻して、最後までしのぎきりました。

 つなぎが短く回転の速いピッチ走法からすれば、オークスよりは桜花賞向き。阪神JFで1分32秒6と、レースレコードとなる勝ちタイムを記録したことも素直に評価すべきで、桜花賞では2歳女王の底力を見たいですね。ぶっつけ本番となりますが、早めに栗東入り。順調な攻めを消化して、大舞台に向けての態勢作りに抜かりはありません」

伊吹雅也氏(競馬評論家)
「3月24日終了時点の本賞金は1億320万円で、JRAに所属する現3歳世代の牝馬としてはいまだ単独トップ。牡馬を含めても、ジャンタルマンタル(1億3120万円)に次ぐ単独2位です。

 近年の桜花賞は、右回りの重賞で好走した実績のある馬や、重賞を除く右回りのレースで崩れたことのない馬が優勢。反対に、右回り、かつ今回と同じ距離のJRA重賞で3着以内となった経験がない馬は2018年以降、1勝、2着0回、3着1回、着外63回(3着内率3.1%)。さらに、JRAのレース、かつ重賞を除く右回りのレースで2着以下となった経験がある馬も2018年以降、0勝、2着1回、3着0回、着外46回(3着内率2.1%)と苦戦しています。

(桜花賞出走の)特別登録馬のうち、この2条件をクリアしているのは、アスコリピチェーノ、コラソンビート、タガノエルピーダ(牝馬3歳/父キズナ。※桜花賞は除外対象)の3頭だけ。桜花賞向きと思しき馬が思いのほか少ないメンバー構成なので、(アスコリピチェーノに関しては)素直に信頼していいのではないでしょうか」

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