安藤勝己が悩み抜いて選定した「3歳牝馬番付」 激戦の牝馬クラシックで勝ち負けを演じるのは? (3ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo

大関:ステレンボッシュ(牝3歳)
(父エピファネイア/戦績:4戦2勝、2着2回)

 阪神JFで横綱アスコリピチェーノとタイム差なしの接戦を演じて2着となったのが、この馬。それゆえ、この馬が当然、大関ということになる。

 阪神JFの走破時計は勝ち馬と同じ1分32秒6。阪神JFのレースレコードで、例年なら桜花賞でも勝てる時計だ。

 そして、同馬が見せた末脚は見事だった。上がりタイムはメンバー最速の33秒5。勝ったアスコリピチェーノをコンマ2秒上回っている。

 その意味では、クビ差という着差はないも同然。ペースや展開など、ほんの少しのことで着順は入れ替わっていた可能性がある。もし桜花賞が最後のキレ味がモノいうような流れになったら、勝つのはこの馬かもしれない。

 阪神JF後に休養に入って、桜花賞へはぶっつけとなるが、おそらくこの休養はオークスまで見据えてのことだろう。血統的に距離延長は問題なし。オークスでは主役の座を奪っていても不思議ではない。

関脇:クイーンズウォーク(牝3歳)
(父キズナ/戦績:3戦2勝、2着1回)

 今年の牝馬クラシックは基本「混戦」だが、阪神JFの上位組が中心になると見ている。もしそこに割って入る馬がいるとすれば、この馬だろう。

 前走のGIIIクイーンC(1着。2月10日/東京・芝1600m)が強い競馬だった。道中はずっと後方に待機していて、直線で追い出されると、長くいい脚を繰り出して押しきった。この"息の長い末脚"がこの馬の武器だ。

 勝ち時計(1分33秒1)も過去と比べて上位に入るほど優秀で、終(しま)いも33秒台の上がりタイムをマーク。メンバーがそろった一戦だったゆえ、後続との着差はわずかだったが、ほぼ完勝と言える内容だった。

 牝馬としては、馬格があるのも特徴のひとつ。馬体重は500kgを超えているが、それでいて、現時点でこれだけの競馬ができるということは、将来的にはさらに強くなる可能性がある。

 ただ、関西馬ながらクイーンCを使ったということは、狙いは桜花賞より、オークスのほうかもしれない。

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