安藤勝己が悩み抜いて選定した「3歳牝馬番付」 激戦の牝馬クラシックで勝ち負けを演じるのは? (2ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo

この記事に関連する写真を見る横綱:アスコリピチェーノ(牝3歳)
(父ダイワメジャー/戦績:3戦3勝)

 昨年来、クラシック出走を視野に入れた前哨戦やトライアルなど、この世代を評価するポイントとなるレースを見てきたが、牝馬戦線で一番レベルが高いと感じたのは、昨年暮れのGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月10日/阪神・芝1600m)。GIで格がひとつ上、ということもあるが、そう感じた理由はそれだけではない。

 負けていない馬が何頭かそろっていて、メンバーレベルが高かった。さらに、1分32秒台と勝ち時計も優秀だったからだ。

 この馬はそのレースを勝ったのだから、横綱とすべきだろう。

 何より、ここまで3戦して3勝。一度も負けていない、というのがいい。こういう馬は勝負強さとか、"ここ"というときに必要な何かが備わっているものだ。

 馬格もあるし、操縦性もよさそう。しかも、一戦ごとにレースが上手になっている。昨夏のGIII新潟2歳S(1着。8月27日/新潟・芝1600m)の頃は子どもっぽい走りをしていたが、前走の阪神JFの際には、だいぶ走りに成長が見られた。

 その前走からして、桜花賞の、阪神・外回りのマイルコースは間違いなく合う。桜花賞ではいい走りをすると思う。

 自分が現役時代に乗っていたダイワメジャーの子で、距離に限界がありそうに思えるが、あれだけ操縦性がよければ、マイル以上の距離も持つはず。オークスも含めて、春の牝馬クラシックはこの馬が中心になるだろう。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る