リバティアイランドvsオーギュストロダン――世界が注目するドバイの一戦、外国人記者の見立ては? (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu

 まず、香港『星島日報』のバート・ヴァンダース記者は、こう分析する。

「2頭ともに実力は計り知れないものがありますが、ここまでのレースぶりから、リバティアイランドは馬の後ろで我慢をする必要があると見ています。となると、外を回されたときにどのようになるのか......。

 また、ジャパンカップではすべてがうまくいったなかで、イクイノックスに4馬身突き放されました。その事実をどう評価するか。

 対するオーギュストロダンには、レース運びにおいて不安な点はありません。しかも、僚馬のポイントロンズデール(牡5歳)が出走することで、位置取りを含め、適したペースで走れるアドバンテージがあるように思えます。

 いずれにしても......、最後は大接戦になるのではないでしょうか」

「どちらがベストの状態にあるか。それが重要ですね」と話すのは、『World Horse Racing』のメンバーで、オーストラリアでコメンテーターを務めるアンドリュー・ホーキンス氏だ。

「リバティアイランドは、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(1着。阪神・芝1600m)、GI桜花賞(1着。阪神・芝1600m)、GIオークス(1着。東京・芝2400m)、GI秋華賞(1着。京都・芝2000m)と、2歳の頃からさまざまな戦法によって、すべて高いレベルで結果を残してきました。ジャパンカップもイクイノックスに敗れはしましたが、そのほかの馬には負けていません。

 一方、オーギュストロダンはここまで10戦して、3度負けています。とくにイギリスのGI英2000ギニー(ニューマーケット・芝1600m)とGIキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(アスコット・芝2390m)は、それぞれ12着、10着と大惨敗でした。

 ともに渋った馬場に敗因を求めることもできますが、それにしても負けるときは負けすぎ、といった感があります。おそらく状態が完調でなかったり、馬場やペースが合わないと馬が感じたりした際には、こうなってしまうのかもしれません。

 高いレベルで安定感のあるリバティアイランドに対して、強さとムラが同居しているのがオーギュストロダンなのでしょう。ともあれ、どちらもベストな状態であれば、(勝つのは)オーギュストロダンかなぁと思っています」

『Racing Post』フランス支局のスコット・バートン記者は、いろんな角度から分析してこんな見解を示す。

「どちらも、ファンタスティックホースであることは疑いようがありません。その2頭がドバイで対戦する、ということに意義があります。ご存じのように、ドバイは欧州の芝よりスピードが出る馬場で、日本の芝よりクッションが利いてパワーを要し、欧州の馬と日本の馬が(各々の特徴において)比較的差のない条件で激突するにはいい舞台だからです。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る