大阪杯に強い「母の父クロフネ」の血 本格化した5歳牡馬とGⅠ牝馬が「祖父の誕生日」を勝利で祝うか (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 プラダリアは全4勝が2200m以上で、重賞勝ちはGⅡ青葉賞(東京・芝2400m)、GⅡ京都大賞典(京都・芝2400m)、GⅡ京都記念(京都・芝2200m)。芝2000mでは3戦して2着2回という成績だ。昨年のGⅢ新潟記念(新潟・芝2000m)は4着に敗れているが、夏季の重賞だけに、目一杯の仕上げではなかったので参考外としていいだろう。

 2着2回はデビュー2戦の新馬戦と未勝利戦であり、本格化後は目一杯の仕上げで2000mを使っていないため、未知数の部分とも言える。距離が近かった昨年のGⅠ宝塚記念(阪神・芝2200m)ではイクイノックスから0秒4差の6着とまずまずの競馬だった。最近は先行集団で競馬ができるようになり、5歳を迎えて本格化してきた印象。今ならこの距離でこそ、力を出し切れると見る。

 もう1頭も「母の父クロフネ」の馬から、父がキングカメハメハのスタニングローズ(牝5歳、栗東・高野友和厩舎)を推す。大阪杯はキングカメハメハ系の勝利はないものの、スタニングローズは大阪杯と同じ「阪神・芝2000m」で行なわれた2022年の秋華賞など、阪神競馬場で5戦3勝という成績を残している。

 今回は昨年のGⅠヴィクトリアマイル以来、約10カ月半ぶりの出走となるが、乗り込みは順調で状態はよさそう。スターズオンアース、ナミュールら、同期の牝馬たちは4歳以降も古馬に混じってGⅠ戦線で好走を続けているため、それに続きたいところだ。

 奇しくも、レースが行なわれる3月31日はクロフネの誕生日(1998年生まれ)。2021年にこの世を去っているが、昨年も直仔ママコチャがGⅠスプリンターズSを勝つなど存在感を示し続けているため、孫のプラダリア、スタニングローズにも期待したい。

プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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