高松宮記念で期待の2頭は「ミスタープロスペクター系」 過去7年で5勝の血統 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 現在ウインマーベルは、GⅡ阪神C(阪神・芝1400m)、GⅢ阪急杯(阪神・芝1400m)と、芝1400mの重賞を連勝中。芝1200mでも実績はあり、今回と同じ条件で行なわれた2022年の葵Sのほか、同年のGⅠスプリンターズS(中山・芝1200m)でもクビ差の2着と、GⅠでも差のない競馬を見せている。

 高松宮記念には昨年も出走したが、不良馬場が影響したのか10着。ただ、やはり重馬場だった2歳時の未勝利戦(新潟・芝1200m)では勝利しているように、道悪馬場はこなせるタイプなので、昨年ほど悪くならなければ問題ないだろう。

 もう1頭もミスタープロスペクター系から、シャンパンカラー(牡4歳、美浦・田中剛厩舎)を推す。父ドゥラメンテの産駒は天皇賞・春(京都・芝3200m)を勝ったタイトルホルダーから、GⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)を勝ったリバティアイランドやスターズオンアース、ダートの地方交流GⅠレースを勝っているアイコンテーラーやヴァレーデラルナといったように、さまざまな条件で勝利している。そんな中で、まだ1200mのGⅠ馬は出ていないが、シャンパンカラーは過去のこのレースの勝ち馬と共通点が多い。

 父ミスタープロスペクター系・母の父ダンチヒ系の配合は、前述のダノンスマッシュ(母の父ハードスパン)、モズスーパーフレア(母の父ビロングトゥミー)と、父キングカメハメハ系、母系にストームキャットを持つ2013年の勝ち馬ロードカナロア(父キングカメハメハ、母の父ストームキャット)と共通するのだ。

 父の父キングカメハメハは距離や芝、ダート問わず活躍馬を送り出した万能種牡馬で、ドゥラメンテもそういった面を見せつつあるだけに、父の可能性を広げる新たな一歩を踏み出してほしいものだ。

 以上、今年の高松宮記念、ミスタープロスペクター系の2頭、ウインマーベルとシャンパンカラーの2頭に期待する。

プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る