混戦模様のフェブラリーS 注目は過去6年で5勝の「ミスタープロスペクター系」の2頭 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 シャンパンカラーは昨年のGⅠNHKマイルC(東京・芝1600m)勝ち馬。昨年のGⅠ安田記念(東京・芝1600m)で14着となって以来のレースで、ダートも初となるが、それだけに"狙い目"と言えるだろう。前述のドゥラエレーデはGⅠホープフルS(中山・芝2000m)の勝ち馬であり、アイコンテーラーは芝の重賞でもGⅢ愛知杯(中京・芝2000m)で2着に入っているように、ドゥラメンテ産駒は芝もダートもこなすタイプが少なくない。シャンパンカラーにもダートでの激走に期待する。

 もう1頭も同じく、ミスタープロスペクター~キングマンボ~キングカメハメハの系統からスピーディキック(牝5歳、浦和・藤原智行厩舎)を推す。

 同馬の父タイセイレジェンドは2012年の地方交流GⅠJBCスプリント(川崎・ダート1400m)の勝ち馬で、ドゥラメンテよりもダート色が濃い。母の父サイレントディールは2004年のフェブラリーSの2着馬。さらに祖母の父クラフティプロスペクターは、2002年のフェブラリーS勝ち馬アグネスデジタルの父と、このレースと縁のある血も揃っている。

 スピーディキックは昨年の同レースで6着と敗れたが、JRAの速いレース展開に対応できない感がありながらも、直線ではよく盛り返していた。慣れれば、上位争いも見込める走りだった。その後は、地方交流GⅢスパーキングレディーC(川崎・・ダート1600m)2着、JBCレディスクラシック4着など強豪相手に健闘。前走の東京シンデレラマイル(大井・ダート1600m)で1年ぶりの勝利を挙げるなど着実に経験を重ねてきただけに、2年越しの挑戦を応援したい。

 以上、今年のフェブラリーSは、キングカメハメハ系の2頭、シャンパンカラーとスピーディキックの2頭に注目する。

プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る