今春の皐月賞と日本ダービーを制すのはどの馬か? 5人の識者がいち早く予想してみた (3ページ目)

小田哲也記者(スポーツニッポン)

◆皐月賞=トロヴァトーレ(牡3歳/父レイデオロ)
◆ダービー=シンエンペラー(牡3歳/父シユーニ)

 トロヴァトーレは、中山・芝2000mの新馬戦(9月18日)、1勝クラスの葉牡丹賞(12月2日/中山・芝2000m)を連勝。しかも、2戦ともに上がり33秒台をマーク。最後の直線に急坂のある中山では、2歳秋としては破格の時計と言えます。

 父レイデオロは、葉牡丹賞を勝ったあと、暮れのホープフルS(当時はGII)も制していますが、その父と比べても遜色ない素材のよさを感じます。

 葉牡丹賞では馬群を一瞬でさばいて、抜け出してからさらに加速。混戦になりやすい皐月賞を勝ちきるだけの勝負根性も備えています。そのレース後、鞍上のウィリアム・ビュイック騎手が「ダービー候補に名乗りを挙げる1頭です」と称賛したほどで、春の大舞台での飛躍が期待できます。

 制御性のよさや、ダービーを制した父の血統背景を考えれば、2400m戦も問題ないでしょうが、まずは中山・芝2000mに特化してきたローテーションを考慮して、皐月賞候補に推したいと思います。

 ダービーは、シンエンペラー。その期待が膨らむ血統的な価値は触れるまでもないでしょう。

 ここまでの3戦、東京・芝1800m(新馬戦1着)、京都・芝2000m(GIII京都2歳S1着)、中山・芝2000m(ホープフルS2着)と、求められる適性が異なるコースで機敏に対応してきた適応力が光ります。特に2戦目の京都2歳Sでは、出負けしたうえ、直線で前に馬群の壁がある状況を打破して勝利。その脚力には底知れない凄味を感じました。

 ホープフルSは早く先頭に踊り出た分、1頭になってソラを使っての惜敗。力で負けたようには見えませんでした。およそ1カ月半余りの間に3戦を消化。その間、関東への輸送も2度こなした強靭な基礎体力も強調ポイントになります。

 収得賞金が十分あるだけに、皐月賞にはこのまま直行でしょうか。もちろん、同じ舞台のホープフルS出走は、そのためだったのでしょう。そんなローテを含めて、陣営がダービーにピタリと照準を合わせてMAXに仕上げてくれば、最右翼の存在になると見ます。

木村拓人記者(デイリー馬三郎)

◆皐月賞=ミスタージーティー(牡3歳/父ドゥラメンテ)
◆ダービー=ミカエルパシャ(牡3歳/父エピファネイア)

 3歳牡馬戦線は、かなりの混戦。そうしたなか、皐月賞で注目したいのは、ミスタージーティー。新馬戦(11月5日/京都・芝2000m)の直線では、反応してからのスピードになかなかのものがありました。

 2戦目はホープフルSに参戦。そのメンバーのなかに入っても、柔らかさがあって「ここでも通用しそうだな」という雰囲気がありました。レースでは後手後手になった分、脚を余すような形になって5着に終わりましたが、あの内容でこの着順だったことには、末恐ろしさを感じました。

 血統的に見て、まだまだ完成するのは先。現状の完成度でこれだけ走れるのなら、今後の飛躍的な伸びしろも加味して、期待は高まるばかりです。

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