エリザベス女王杯は外国人騎手の独壇場も、GI勝利を渇望する関東トップ騎手の「意外性」に期待 (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku

 また、ノーザンファーム生産馬が現在、春のヴィクトリアマイルから天皇賞・秋までGI9連勝中。(生産馬の)ローテーションの策定から騎手の手配まで盤石の構えを見せ、まったく隙がありません。エリザベス女王杯でもノーザンファームの生産馬から優勝馬が出る確率は、かなり高いと見ています。

――エリザベス女王杯においては2016年以降、外国人騎手がほぼ上位を占めていて、日本人騎手が勝利したのは、2021年の幸英明騎手(アカイイト)だけ。そうしたなか、そろそろ日本人騎手の奮闘を期待するファンも多いと思います。そこで今回、大西さんが気になる日本人騎手、その騎乗馬はいますか。

大西 エリザベス女王杯では、意外性のある関東のジョッキーが結構穴をあけているイメージがあります。2009年には田中博康騎手(現調教師)が大胆な逃げを打ってクィーンスプマンテに大金星をもたらし、2012年には柴田善臣騎手が巧みな騎乗でレインボーダリアをGI馬へと導きました。

 そして今年、"意外性"という点で最も注目しているのが、三浦皇成騎手で、同騎手が手綱をとるマリアエレーナ(牝5歳)です。

エリザベス女王杯での大駆けが期待されるマリアエレーナ。photo by Eiichi Yamane/AFLOエリザベス女王杯での大駆けが期待されるマリアエレーナ。photo by Eiichi Yamane/AFLOこの記事に関連する写真を見る マリアエレーナはもともと松山弘平騎手のお手馬でしたが、前走のGIIオールカマー(9月24日/中山・芝2200m)で初めて三浦騎手とコンビを組んで4着と好走。今回も継続騎乗となりました。三浦騎手としては、このチャンスを生かしたいところでしょう。

 マリアエレーナは、近走では骨っぽい牡馬相手に大崩れすることなく、4走前のGI大阪杯(4月2日/阪神・芝2000m)でも掲示板入り(5着)。唯一のGI馬ジェラルディーナとの直接対決もこれまでに4度あって、そのうち3回は先着しています。それを思えば、この馬にも戴冠の資格は十分にあると踏んでいます。

 三浦騎手と言えば今年、JRA通算1000勝を挙げた関東のトップジョッキーのひとり。しかしながら、JRAのGIは過去115回の騎乗で一度も勝ったことがありません。

 彼がGIタイトルの獲得をどれほど渇望しているかは、想像に難しくありません。そんな三浦騎手の奮起にも期待して、マリアエレーナを今回の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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