秋華賞はリバティアイランドがテッパンも、トリッキーな舞台が合う伏兵2頭が好配当を演出か (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

マラキナイア(牝3歳)です。前走の秋華賞トライアル、GIIローズS(9月17日/阪神・芝1800m)で3着と健闘。中団後方から長く脚を使って、優先出走権を獲得しました。

 もともとデビュー当時から素質の高さを評価されていた馬で、昨年6月の新馬戦(中京・芝1600m)を勝ったあとは、すかさず重賞に挑戦。GIIIアルテミスS(東京・芝1600m)に出走してコンマ3秒差の5着と、勝ったラヴェルや2着リバティアイランドと差のない競馬を見せました。

 休み明けの一戦だった前走のローズSでは、馬体重がプラス14kgと大幅に増加。管理する吉岡辰弥調教師は『カイ食いが春よりよくなったことが一番。それにともなって、心身ともに成長してくれていますね』と、休養を経ての良化ぶりに目を細めていました。

 レース内容についても『前走はジョッキー(川田将雅騎手)が次の2000m戦を見据えて、リズムを大事にして競馬をしてくれました。次につながるいいレースだった』と、吉岡調教師。本番に向けても、『血統的にも晩成で、距離も延びて、さらにいいと思いますよ』と力を込めていました。

 半兄には7歳になって海外の長距離重賞で2勝を挙げたステイフーリッシュが、叔父には5歳時にGIスプリンターズSを制し、7歳でGI安田記念を勝ったブラックホークがおり、父は4歳秋にGI天皇賞・秋を圧勝して大ブレイクしたジャスタウェイ。その血統背景から、成長力や距離延長は魅力ですし、大舞台で好走できる素養は備わっています。

 トライアル3着で人気はそこまで上がらないでしょうから、好配当を呼び込む穴馬として狙ってみるのは面白いと思います」

 三冠牝馬誕生が濃厚ながら、伏兵の台頭も見込める波乱含みの一戦。はたして、今年のレースで好配当の使者となるのはどの馬か。ここに挙げた2頭であってもおかしくない。

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