秋のGI前哨戦 京都大賞典は衰え知らずのベテラン2頭の大駆けに要注意 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 さらに吉田記者は、出走メンバーを見渡してこう語る。

「徹底先行型のアフリカンゴールド(せん8歳)、折り合い面からすんなりと前目につけたいアイアンバローズ(牡6歳)やブローザホーン(牡4歳)など、先行したい馬がそろった印象。これらに加えて、好位につける持久力タイプのディープボンド(牡6歳)がどう動くかによって、ウイニングポジションは変わってくるでしょう。そして、斤量などを踏まえれば、荒れる可能性は大いにあると踏んでいます」

 そこで、吉田記者は穴馬候補を2頭挙げた。

「1頭目は、ボッケリーニ(牡7歳)です。前有利の展開だった2走前のGIII鳴尾記念(6月3日/阪神・芝2000m)で、中団から外をまくっていって、フェーングロッテン、マリアエレーナ、ソーヴァリアントら人気馬をねじ伏せた競馬は、強いのひと言でした。

京都大賞典での勝ち負けが期待されるボッケリーニ京都大賞典での勝ち負けが期待されるボッケリーニこの記事に関連する写真を見る 7歳になっても衰えはまったく見られず、次戦の前走・GI宝塚記念(6月25日/阪神・芝2200m)でも期待値は高かったです。ただ、同レースでは内にこだわった戦法がアダとなってしまい、中団を追走しながら動けずに4角では殿(しんがり)まで後退。直線に向いてからは上位争いも見えた脚勢で伸びてきましたが、そこでも前が詰まってしまったことが堪えました。

 結果は、勝ち馬からコンマ5秒差の5着。それでも、この馬の持ち味をまったく発揮できなかったことを思えば、十分に評価していいレースだったと思います」

 昨秋もこのレースから始動し、ヴェラアズールの2着。休み明けの戦績もよく、侮れない存在となる。

「1週前の馬体でも、いつでも使えるぐらいの仕上りでした。(休み明け)初戦から能力を全開にできる状態。血統からソフトな馬場も問題なく、57kgの斤量からも好戦は必至でしょう」

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