「見るからに立派な馬」世界的な良血馬ジーティーパワーのデビューが先延ばしになったわけ (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 フランケル産駒は気性が激しいタイプが多いのですが、『この馬はおっとりした性格で操縦しやすい』とのこと。そのうえで、『引っかかることなく、指示した分だけ動く』と評していました」

 当初は秋のデビューに向けて調整されていたジーティーパワー。しかしここにきて、再度放牧に出された。その辺りの理由について、先のトラックマンが明かす。

「ジーティーパワーは幼い時に右後脚を骨折。そのケガ自体はすでに治っているのですが、『調教をすると、骨折した右後脚をかばう様子が見られる。おかげで、走りのバランスが崩れて、後脚全体に疲れが出ている』とスタッフ。故障はしていないのですが、走るフォームが理想に近づいてこないため、一度立て直しを図るようです」

 こうして、デビューが先延ばしになったジーティーパワー。ともあれ、この放牧が秘めた才能を輝かせるために必要な時間となるはずである。世界的な良血馬が万全の状態を整えて、華々しく初陣を飾る日がくるのをじっくりと待ちたい。

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